未来のいつか/hyoshiokの日記

hyoshiokの日々思うことをあれやこれや

2018年度OSS貢献者賞を受賞しました

北東アジアOSS推進フォーラム(11月14日〜16日、横浜)で、2018年度OSS貢献者賞を受賞した。ありがとうございました。 *1 http://www.ossforum.jp/2018Yokohama今回の受賞は「カーネル読書会」の活動などを評価していただいたもので、自分としてはちょっと昔…

未経験プログラマがコボルコンパイラを作った話をした #compiler_study

コンパイラ勉強会というちょっと心をそそる勉強会があったので参加した。勉強会っぽい勉強会(ってどんなだよ)に参加するのは久々だったので、つい出来心でLTでもしようかと思った。LTすれば定員オーバーでも参加できるだろうという下心があった。 https://…

知的生産の技術、梅棹忠夫著、読了、濫読日記風 2018、その18

知的生産の技術 (岩波新書)を読んだ。大昔に読んだのだが、妙に記憶に残っている部分もあった。約50年前(PCもインターネットもない時代だ)の知的生産の技術なので、現代にそぐわない点もあるが「学校では知識は教えるけれど知識の獲得のしかたはあまり教え…

禅と日本文化、鈴木大拙著、読了、濫読日記風 2018、その17

岩波書店の広報誌「図書」の臨時増刊「はじめての新書」(岩波新書創刊80年記念)は各界の著名人が自分にとっての「はじめての新書」を薦めている。そのリストを眺めるだけで楽しいし、こんな人がこんな新書を薦めているということを読むだけでも興味深い。…

自動車の社会的費用(岩波新書)、宇沢弘文著、濫読日記風 2018、その16

20世紀が大量生産、大量消費の世紀だったことを私たちは知っている。自動車がそのシンボルである。自動車の社会的費用 (岩波新書 青版 B-47)を読んだ。 自動車の普及ほど、戦後日本の高度経済成長の特徴を端的に表しているものはないであろう。(2ページ) …

おてつたびでお手伝い

「おてつたび」というサービスがある。学生とお手伝いを必要とする地域とを結ぶマッチングサービスだ。若い人が少なくて困っている地域に学生をお手伝いする人として送り込む。その地域までの交通費とお手伝い中の食事と宿泊費用はお手伝いをされる方が負担…

#東京大学生物語 その1

9月末に60歳定年退職して、東京大学大学院情報理工学系研究科電子情報学専攻博士課程に入学した。*19月末より現役の東京大学生である。博士課程の大学生がどんな生活をしているのか、日記を認めることにどのような意味があるのかという疑問を持たなくもない…

9月末で60歳定年退職しました

当社の規定により満60歳で定年退職をした。長いようで短かった会社員生活も一区切りだ。自分のプログラマとしての会社員生活を振り返ってみる。無駄に長いし結論はないのでお忙しい人は飛ばして欲しい。9月末なのでブログ界隈では退職エントリーがそこかしこ…

ゲーデル、エッシャー、バッハ、第20章、六声のリチェルカーレ、訳者あとがき、訳者紹介まで読了、ダグラスRホフスタッター著、濫読日記風 2018、その15

ゲーデル、エッシャー、バッハ―あるいは不思議の環 20周年記念版を読了した。ゆるゆるとゲーデル、エッシャー、バッハを読む会(ゆるげぶ)で読書会をしていたゲーデル、エッシャー、バッハ(GEB)を読了をした。第20章の次の「六声のリチェルカーレ」も熟読…

なぜアメリカ大陸横断を列車でしたのか

いろいろな人になぜアメリカ大陸を横断したのかと聞かれる。簡単に自分なりの答えを記しておく。今回は鉄道(Amtrak)で横断したわけだが、最終的にはクルマで横断したいと思っている。 なんでそんな酔狂なことをするのか?したいからしたいとしか言いようが…

ニューヨークからサンフランシスコまで全米を鉄道で横断してみた

(地図はシカゴからサンフランシスコまで)アムトラックでニューヨークからサンフランシスコまで鉄道で横断してみた。3泊4日、乗り換え2回だ。 https://www.amtrak.com/home.htmlアメリカは広い。移動するだけで体力を消耗する。頭では理解しているつもり…

プログラマ60歳定年説、FA宣言

タイトルは釣りです、すみません。無駄に長いのでお忙しい人は、どーぞ、飛ばしちゃってください。自分は今年の9月で満60歳になる。60歳というと多くの日本企業の御多分にもれず定年である。定年後に何をするのかしないのか、ここで簡単に記してみる。日本の…

無知を楽しむ

難しい本の読書会をやっていて、ウンウン唸りながらわからないなあ〜と思う。「ゲーデル、エッシャー、バッハ」を読んでいるのだけど、未だに深い森をさまよっているような気分で果たして見晴らしの良いところにたどり着けるのだろうかと時々不安になる。今…

不完全性定理―数学的体系のあゆみ (ちくま学芸文庫)、野崎明弘著、濫読日記風 2018、その14

不完全性定理―数学的体系のあゆみ (ちくま学芸文庫)を読んだ。あることを好きとか嫌いとか誰でもあるのだけど、こと「数学」に関しては好き嫌いがはっきりしているような気がする。高校時代の数学に良い思い出がなく気がつくと嫌いになっていたとか、進路を…

失踪日記2 アル中病棟、吾妻ひでお著、読了、濫読日記風 2018、その13

失踪日記2 アル中病棟を読んだ。漫画家の吾妻ひでおがアル中になって専門病院に入院する実話をもとにした漫画。前作の締め切りをバックれて失踪してホームレスになるという「失踪日記」の続編という位置付けだが、本書を執筆するまで8年かかったのはアル中だ…

ゲーデル、エッシャー、バッハの薄い本、その2を #技術書典 に出品する

「ゲーデル、エッシャー、バッハ―あるいは不思議の環 20周年記念版」という20世紀の古典の読書会をゆるゆるやっていて、その読書会仲間と、同人誌を昨年の秋に作った。*1、*2そして、4月22日、秋葉原UDX アキバ・スクエアで開催予定の技術書典に同人誌「ゲー…

銃・病原菌・鉄、ジャレド・ダイアモンド著、読了、濫読日記風 2018、その12

銃・病原菌・鉄(上)、銃・病原菌・鉄(下)1万3000年にわたる人類史の謎 (草思社文庫)を読んだ。スゴ本の中の人が選んだ、1万円で“一生モノの教養”を身につけるための5冊 - マネ会で紹介されている一冊で面白さは間違いない。本書をひとことで表すならば「…

Ruby25周年イベントで変わったこと変わらなかったことを考えた #ruby25th

品川で開催されたRuby 25周年のイベントに行ってきた。*1http://25.ruby.or.jp高橋さんのRubyの昔の話から、まつもとさんの未来の話、宮川さんとまつもとさん対談など、コンテンツも盛りだくさんだった。最後にお嬢さん二人からまつもとさんへの花束贈呈があ…

ハックルベリー・フィンの冒けん、マーク・トウェイン著、柴田元幸訳、読了、濫読日記風 2018、その11

柴田元幸が最近訳した「ハックルベリー・フィンの冒けん」を読んだ。「ハックルベリー・フィンの冒けん」は「文学入門 (岩波新書 青版)」の読書リストにも載っていたし、いつかは絶対読みたいと思っていた一冊だ。柴田元幸がいちばん訳したかったという触れ…

ゲーデル、エッシャー、バッハ―あるいは不思議の環 20周年記念版、12章、ダグラス・R. ホフスタッター著、濫読日記風 2018、その10

ゲーデル、エッシャー、バッハ―あるいは不思議の環 20周年記念版の12章を読んだ。読書会でゆるゆる読んでいる。ゆるゆるゲーデル、エッシャー、バッハ(GEB)を読むので略して「ゆるげぶ」12章は「心と思考」。ついに意識について踏み込んでいく。以下覚書の…

短篇小説講義、筒井康隆著、濫読日記風 2018、その9

短篇小説講義 (岩波新書)を読んだ。読書の幅を広げるタイプの読書本だ。紹介されている本を手にとって読みたくなる。筒井康隆が紹介しているので面白さはピカイチでどれも読みたくなる。紹介されている作家は、ディケンズ、ホフマン、アンブロウズ・ビアス、…

未来の年表 人口減少日本でこれから起きること、河合雅司著、濫読日記風 2018、その8

未来の年表 人口減少日本でこれから起きること (講談社現代新書)を読んだ。本書は、人口の絶対数が激減したり、高齢者が激増したりすることによって生じる弊害と、それにどう対応するかを議論している。(6ページ)2015年に1億2700万人いた日本の総人口が、4…

論理哲学論考(岩波文庫)、ウィトゲンシュタイン著、野矢茂樹訳、を読んで考えた、濫読日記風 2018、その7

論理哲学論考 (岩波文庫)を読んだ。読んでみたがよくわからなかった。一行で要約すると「七 語りえぬものについては、沈黙せねばならない。(野矢茂樹訳)」となる。七行で要約すると 世界は成立していることがらの総体である pp13 成立していることがら、す…

自由と規律、池田潔著、濫読日記風 2018、その6

自由と規律―イギリスの学校生活 (岩波新書)を読んだ。英国の古き良きパブリック・スクールについての紹介だ。著者は若き日にそこに学び後に慶應義塾大学で教鞭をとった日本人である。英国における紳士的な精神とは何か、それをいかにパブリック・スクールと…

古典力、齋藤孝著、濫読日記風 2018、その5

『古典力 (岩波新書)』を読んだ。古典力とは、名著を自分の古典として日々の生活や思考に生かす力である。(はじめに、ii) 古典を読み楽しむという力だという風に私は理解した。第1章 古典力を身につける なぜ古典力が必要なのか。古典を読むための十カ条…

老人と海、ヘミングウェイ著、福田恆存訳、濫読日記風 2018、その4

老人と海 (新潮文庫)を読んだ。福田恆存の訳と解説。老人と海は中高生の頃に読んだ。詳細は忘却の彼方だが、老人が大魚を不眠不休で釣り上げるという話だったと記憶していた。だいたいあってた。再読するきっかけはつながる読書術、日垣隆著、濫読日記風 201…

読んじゃいなよ!、高橋源一郎編、濫読日記風 2018、その3

読んじゃいなよ!――明治学院大学国際学部高橋源一郎ゼミで岩波新書をよむを読んだ高橋源一郎ゼミの学生がゼミで岩波新書を読む。著者を招いて講演と質疑応答というセッション。登場する著者と書籍は、下記の三者。 哲学の使い方 (岩波新書)、鷲田清一著 憲法…

つながる読書術、日垣隆著、濫読日記風 2018、その2

去年の今頃つながる読書術 (講談社現代新書)読んでいた。(Facebookの過去の出来事が教えてくれた。濫読日記風に記していなかったのでコピペする) 自分に十分な言語理解力が備わっているのか甚だ疑問で、どうにか読書力というのをつけたくて読書法的なもの…

六本木戦記、久富木隆一著、濫読日記風 2018、その1

2018年あけましておめでとうございます。昨年(2017年)は本の感想を主に濫読日記風というタイトルでまとめていた。今年も懲りずに読書記録としてつけていきたい。2017年は「その51」まで行ったが、年も明けたので、番号はリセットして2018その1として始める…

2017年の振り返り、濫読日記風、その51

今年はいっぱい本を読んで、はてな日記でいっぱい感想を書いた。(濫読日記風は今日で「その51」だ) 小説もたくさん読んだし、ノンフィクションもいっぱい読んだ。 いろいろな読書会にも参加した。強い印象を持った作品にもいくつもであった。そこで、自分…