未来のいつか/hyoshiokの日記

hyoshiokの日々思うことをあれやこれや

武雄市の図書館問題を個人情報保護法で議論するのはスジが悪い

武雄市図書館、TSUTAYAが運営へ

佐賀県武雄市は4日、レンタルビデオ店「TSUTAYA」を展開する「カルチュア・コンビニエンス・クラブ」(CCC)に市図書館の運営を任せることで同社と合意したと発表した。市は6月定例会に同社を指定管理者とする議案を提出。認められれば来年4月に年中無休でカフェや雑誌、文具の販売コーナーを設置した図書館が誕生する。CCCが公立図書館の運営を行うのは初めて。
http://kyushu.yomiuri.co.jp/news/national/20120506-OYS1T00146.htm

ネットでも早速いろいろな議論が巻き起こっている。

まづ当事者の武雄市長のブログ

武雄市長物語
http://hiwa1118.exblog.jp/15827483/

当日の記者会見の映像
http://www.ustream.tv/recorded/22339926



当日の映像Video streaming by Ustream

Twitterまとめ
http://togetter.com/li/298081

高木浩光@自宅の日記
武雄市長、会見で怒り露に「なんでこれが個人情報なんだ!」と吐き捨て
http://takagi-hiromitsu.jp/diary/20120504.html

図書館の自由に関する宣言
http://www.jla.or.jp/ibrary/gudeline/tabid/232/Default.aspx

T会員規約
https://tsite.jp/tm/pc/register/STKIp0108001.do

わたしの意見

図書館というのは、図書館の自由に関する宣言でもうたわれているとおり、『基本的人権のひとつとして知る自由をもつ国民に、資料と施設を提供することをもっとも重要な任務とする』という機能がある。そして、その利用に関しては、思想信条の自由にのとって、プライバシーとして保護されるべきものだと考える。

その意味で、個人情報保護法は、個人情報をどのように利用するか(保護するか)という観点からの法律なので今回の議論にはなじまない。

図書館業務を民間に委託すること自体が問題ではなく、その利用履歴の保護が問題になっている。

T会員規約を読む限り、利用履歴はカルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社およびポイントプログラム参加企業によって共有される。利用目的のなかに「会員のライフスタイル分析」というのがある。ライフスタイル分析というのが具体的に何をさすのかは不明だが、利用者の読書履歴より、お勧めの情報を抽出したりすることは容易に推測できる。

わたしが、図書館のどのような本を読もうが読むまいがわたしの自由であり、誰かにその履歴を保存され分析され何かを売りつけるために利用されるというのは、よけいなおせっかいと感じるし、そもそもそんなことはしてほしくない。

それこそが、憲法が保証している、思想信条の自由なのではないだろうか。わたしが図書館で何を読もうが自由。誰にも干渉されない。その情報をどんな形にしろ利用するというのは、その権利の侵害にあたるとわたしは考える。