未来のいつか/hyoshiokの日記

hyoshiokの日々思うことをあれやこれや

創作の極意と掟、読了

創作の極意と掟を読んだ。自分にとっては久々の筒井康隆だ。

序言。「この文章は謂わば著者の、作家としての遺言である。」

凄味。色気。揺蕩。破綻。濫觴。表題。迫力。展開。会話。語尾。省略。遅延。実験。意識。異化。薬物。逸脱。品格。電話。羅列。形容。細部。蘊蓄。連作。文体。人物。視点。妄想。諧謔。反復。幸福。

漢字二文字の表題で、その項目についての筒井康隆の考えが述べられている。
凄味。「小説を書こう、あるいは小説家になろうと決めた時から、その人の書くものには凄味が生じる筈である。」
色気。「色気と言っても、強ち(あながち)男女の愛欲などのことには限らない。」
揺蕩。「今までの小説に飽き足りない。」
破綻。「ここで破綻というのは、小説の登場人物が破綻することではなく、あくまで作品の破綻である。」
濫觴。「濫觴というのは、小説に於いて言うなら冒頭、つまり書き出しのことである。」

幸福。「小説家に不幸などあるのだろうか。」

索引。本書には索引があるので、ヘミングウェイが8回言及されているということを知ることができる。

筒井康隆の作品だけではなく、広く小説を題材に解説しているので、様々な書籍の読書ノートとしても読める。本書を読んで、紹介されている本を読むというのも楽しいと思う。

おすすめの一冊である。