進化は万能である、読了
入念な計画が成功の鍵だと私たちは直感的に考えるが、それは間違っている。
ロシア革命、世界大恐慌、ナチス政権、第二次世界大戦、2008年の金融危機――
比較的少数の人による、トップダウンの意思決定の結果なされたことはことごとく失敗した。一方、世界の所得増加、感染症消滅、食料供給、河川と大気の浄化、
富裕な国々の大半における再植林、インターネットといった、大きな変化を起こす意図のない
無数の人々によってもたらされた「ボトムアップ」な、偶然で予想外の現象はあまりに多い。それらの広範な現象に共通する原理が「進化」だ。
生物界に限らず、宇宙のなりたちから人間の生み出した文化・経済・制度・イノベーションにいたるまで、
あらゆる物事の原動力である進化原理の強力さを説き語る、
- プロローグ 一般進化理論
- 宇宙の進化
- 道徳の進化
- 生物の進化
- 遺伝子の進化
- 文化の進化
- 経済の進化
- テクノロジーの進化
- 心の進化
- 人格の進化
- 教育の進化
- 人口の進化
- リーダーシップの進化
- 政府の進化
- 宗教の進化
- 通貨の進化
- インターネットの進化
- 未来の進化
誰かがデザインして生み出されるという世界観ではなく、それは試行錯誤の末、進化してきたという世界観である。生物は「神」によって創造されたのではなく、自然淘汰によって進化してきた。ダーウィンが提唱した進化論を本書では特殊進化論と呼び、様々な現象を一般進化論とした。進化するのは生物だけはないということを主張している。
進化という文脈では、ケビン・ケリーのテクニウム――テクノロジーはどこへ向かうのか?や、〈インターネット〉の次に来るもの―未来を決める12の法則がある。
シングラリティを考える上で、「進化は万能である」はお勧めである。