未来のいつか/hyoshiokの日記

hyoshiokの日々思うことをあれやこれや

濫読日記風、その4

芥川賞作家、村田沙耶香消滅世界を読んだ。

殺人出産 (講談社文庫)も怖い小説だったが、本書も同系列である。

消滅世界は、子供をセックスではなく人工授精で作る近未来を舞台にしている。交尾は気持ちの悪いものとして考えられていて、家族の形も変わってくる。

「パートナーを選ぶ基準って、収入と家事の分担のバランス感覚の一致、信頼できそうな人か、雑談相手に向いているか……それくらいの直感でしょ。」

子供を持って育てるという価値観を揺すぶられる不気味さがある。村田沙耶香という作家は恐ろしい作家だと思った。


濫読日記風