未来の年表 人口減少日本でこれから起きること、河合雅司著、濫読日記風 2018、その8
未来の年表 人口減少日本でこれから起きること (講談社現代新書)を読んだ。
本書は、人口の絶対数が激減したり、高齢者が激増したりすることによって生じる弊害と、それにどう対応するかを議論している。(6ページ)
2015年に1億2700万人いた日本の総人口が、40年後には9000万人を下回る。(7ページ)
喫緊の課題は、1)出生数の減少、2)高齢者の激増、3)勤労世代(20〜64歳)の激減に伴う社会の支え手の不足、4)これらが互いに絡み合って起こる人口減少。(9ページ)
本書は、今後100年の人口減少カレンダー(22〜23ページ)で、今後の日本がどのような社会になるのかを示している。例えば、2020年には女性の2人に1人が50歳以上になる。年間出生数は増えない。一人暮らし社会が本格化する。大都市部では総人口はあまり減らず、高齢者の実数だけが増えていき、地方では総人口は減少するが、高齢者の実数はさほど変わらない(126ページ)。
高齢化と少子化は別の問題だ。(124ページ)
第2部では少子高齢化問題への処方箋を提案している。
1)戦略的に縮む、2)豊かさを維持する、3)脱・東京一極集中、4)少子化対策
第1部の現状分析に比べて第2部の少子高齢化対策については実現可能性が乏しいように感じた。4)の少子化対策が弱いように感じた。
本書は第1部の現状分析の部分を広く共有して、今後の処方箋について議論するネタにするのがいいのではないかと思った。
濫読日記風 2018
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