未来のいつか/hyoshiokの日記

hyoshiokの日々思うことをあれやこれや

ニューヨークからサンフランシスコまで全米を鉄道で横断してみた

(地図はシカゴからサンフランシスコまで)

アムトラックでニューヨークからサンフランシスコまで鉄道で横断してみた。3泊4日、乗り換え2回だ。
https://www.amtrak.com/home.html

アメリカは広い。移動するだけで体力を消耗する。頭では理解しているつもりだったけど身体で理解した。

全米を列車で横断する場合、アムトラックのシカゴがハブになっているので、西海岸からならば、シアトル、サンフランシスコ、ロスアンジェルスからシカゴまで行って、そこからボストン、ニューヨーク、ワシントンDCに向かう。東海岸からならその逆だ。

今回はニューヨークからシカゴ経由でサンフランシスコまで行った。途中、Albany-Rensselaerというところでボストンから来る列車に乗り換える。時刻表だと、19:05発でシカゴに翌日の9:45に到着するので14時間40分ほどの旅になると思いきや、時差が1時間あるので、15時間40分の旅だ。

同様にシカゴからサンフランシスコ(Emeryville)までも時差が2時間あって、52時間10分の旅となる。
https://www.amtrak.com/content/dam/projects/dotcom/english/public/documents/timetables/California-Zephyr-Schedule-072017.pdf

60年前、小田実はニューヨークの摩天楼とミシシッピ河とテキサスの原野を見たくてアメリカに行った(「何でも見てやろう」10p)。当時の日本は焼け野原で「摩天楼」は無かったし、ミシシッピ河もテキサスの原野ももちろんない。だからこそ小田実はそれを自分の目で見たかったのだと思う。ベトナム戦争も始まる前の古き良き時代のアメリカをフルブライト留学生として渡米した。

今回、「何でも見てやろう」を再読しながらシカゴからサンフランシスコまで旅をした。車窓からはトウモロコシ畑が行っても行っても続いている。大平原は延々トウモロコシ畑だった。人家などは見えない。


予約方法と席の種類

https://www.amtrak.com/home.html

予約はアムトラックのWebページから行った。
サンフランシスコの場合、Emeryville, CAを選ぶ。どのクラスがいいのかよくわからなかったので、Reserved Coach Seatというのを選んだ。ChicagoからEmeryvilleで$329だった。Premiumは$821で高い。

Coach seat の場合、座席は横幅も席の間隔も広いし、リクライニングはゆったりだ。よく寝れる。

Premiumの場合はベッドみたいだ。予約した時点では、どのような座席かはよくわからなかったので値段で選んだ。

値段の差は主にベッドかリクライニングかによるのかな。前者の場合、飲み物と料理もついているようだ。飛行機のビジネスクラスとエコノミーみたいなものだと理解した。次回は試しにPremiumでもいいかもしれないと思った。

東海岸からシカゴまでは、ボストン、ニューヨーク、ワシントンDCあたりからアムトラックがある。日本からの直行便で本数が多いのはニューヨークなので、起点をそこにした。ボストンやワシントンDCなどでもよかったかもと思った。

ニューヨークからシカゴ

ネットで予約すると確認メールが来るので、それを印刷しておく。スマホQRコードを見せてもいいのだけど、ネット環境がないとドキドキするので紙で持参するといいと思った。自分は印刷していなかったのでドキドキした。しなくてもいい緊張だった。

Coach Seatの予約は指定席ではないので、空いている席に早いもの順で座っていく。座席数ぶんは確保されているので、立ち席ということにはならない。

自分はてっきり、席を予約したら、座席を別途指定するか、すでにどこかの席が指定されているのではないかと勘違いしていたのだけど、そのようなことはなかった。無駄にドキドキした。

ニューヨークで列車に乗り込んで、とりあえず空いてる席に座って、隣のおじさんにどの席に座ればいいんですかね?と聞いたところ、予約したときのメールに書いてあるのでじゃないかと言われたので、マックを立ち上げメールを発掘し、予約メールのPDFを表示した。確かにQRコードがある。これを読み取ると座席番号とかがわかるのかなあと思ったのだが、問題はどうやってQRコードを読むか。SIMは用意していかなったので、弱いフリーwifiの電波でネットと格闘した。車掌さんが検札に来たので聞いたところ、このチケットは席の予約だけで指定席じゃないので、どこに座ってもいいよとのことだった。無駄にドキドキしただけだった。

シカゴからサンフランシスコ

シカゴ到着が2時間ほど遅れた。

シカゴからサンフランシスコの列車は14時発。2時間ほどの待ち時間なので、軽く飯を食って待った。待合室でダラダラ待つことになる。サンフランシスコ着が翌々日の16時10分だ。普通に考えると50時間ちょっとかかることになると勘違いするのだが、シカゴとサンフランシスコには2時間時差があるので、52時間ほどの行程になる。国内に時差があるほどアメリカは広い。

30ドルくらい余分に払うとラウンジ(レガシークラブとか何とかいう名前だった)利用とプライオリティーボーディング(優先搭乗)ができるらしいので、利用した。wifiのほか、スナックと飲み物がただだった。飯を食う前に利用すればよかった。

発車30分くらい前に、係りのおねーさんが、ホームそばの待合室まで案内してくれた。そこから優先搭乗だった。

CALIFORNIA ZEPHYR号というのがシカゴ、サンフランシスコ間を走る列車の名前だ。
https://www.amtrak.com/content/dam/projects/dotcom/english/public/documents/timetables/California-Zephyr-Schedule-072017.pdf

座席は幅広でゆったりリクライニングができて快適だ。展望車は天井もガラス張りになっていて明るい。食堂車と売店がついている。

夕食は予約が必要だ。係りの人が聞きに来るので、空いている時間を教えてくれる。1テーブル4人なので、それ未満のグループないしは個人は相席になる。

メニューはそれほど多くはないが美味しかった。

朝と昼は予約なしにふらっといってふらっと食える。

知らない人と雑談をするというのも旅っぽい。車窓はそれほど変化がない。本を読む、寝る、景色を眺める。それの繰り返しだ。

列車の中にはwifiはなかった。SIMとか購入しなかったので、52時間インターネットから隔絶された。途中駅で停車するたびに、フリーなwifiはないか検索してみたけど、ほとんどなかった。ネットから遮断される時間を持つというのも旅の醍醐味かと思った。ネット依存症には辛いけど。

コロラド州に入ったあたりから徐々に山岳地帯になる。遠くに山が見える。

ここまでは予約とか席の種別とか、いわばテクニカルな部分で、旅の本質はそこではない。もっとエモい話を書こうと思ったのだけど、長くなるのでそのうちに記すことにする。