情報生産者になる、上野千鶴子著、読了、濫読日記風 2018、その22
情報生産者になる (ちくま新書)を読んだ。
研究指南書である。問いの立て方からアウトプットまで一気通貫に解説している。
研究とは何か(32ページ)。上野はそのプロセスを、1)問いを立てる、2)先行研究を検討する、3)対象を設定する、4)方法を採用する、5)理論仮説を立てる、6)作業仮説を立てる、7)データを収集する、8)データを分析する、9)仮説を検証する、10)モデルを構築する、11)発見と意義を主張する、12)限界と課題を自覚する、としている。
それぞれのステップについて実例を交えて解説している。例えば文献報告のフォーマット(66ページ)、研究計画書(73ページ)を例示している。具体的、実践的だ。
情報生産者とはまだ見ぬコンテンツを世に送り出す人である。それを公共財にしたいと願う者たちである。そのためには自分自身が「今ここにないもの」を夢見る能力が必要で、それが「問いを立てる」能力である。(371ページ)
研究者の卵としてその能力を研鑽していきたいと強く思った。
濫読日記風 2018
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