未来のいつか/hyoshiokの日記

hyoshiokの日々思うことをあれやこれや

歴史の進歩とはなにか (岩波新書 青版 800)、市井三郎著、読了、濫読日記風 2018、その54


歴史の進歩とはなにか (岩波新書 青版 800)を読んだ。

歴史とは何か (岩波新書)、E.H.カー著、清水幾太郎訳、読了、濫読日記風 2018、その52 - 未来のいつか/hyoshiokの日記で「歴史とは何か (岩波新書)」を読んだのだけど、歴史観の名著の一つが本書だ。

「歴史とは何か」がイギリスの歴史家によって書かれたものなので、西洋史観であり、本書は日本の哲学者によって書かれたものなので東洋史観である。

自分にとっては本書の採用する「史観」により納得感を得た。

「歴史とは何か」が1960年前後の時代を反映しているように、本書は1970年前後の時代を反映している。すなわち前者は第二次大戦後であり、後者は戦後20年以上経った高度成長の時代であり、世界は東西冷戦で、米国はベトナム戦争の泥沼にはまっていた。

世界史が西欧の力による征服の歴史であることを本書は繰り返し指摘する。「ヨーロッパの諸民族が他の土地に訪問する場合(彼らにとっての訪問は略奪と同一のことである)、彼らの示す不正は恐るべき程度に及んでいる」(カント「永遠平和の為に」)(39ページ)

本書が引用している様々な哲学書や古典を読んでみたいと思った。


濫読日記風 2018