未来のいつか/hyoshiokの日記

hyoshiokの日々思うことをあれやこれや

複業の教科書、西村創一朗著、読了、濫読日記風 2018、その48

複業の教科書を読んだ。会社員として一つの組織に属し働くということは、フリーランスとして自分で商売をしたり農業・漁業を営むのと違う。昨今の働き方改革とか人生100年時代という文脈で語られることの多くは会社員としての働き方をどう変えるかということ…

古都 (新潮文庫)、川端康成著、読了、濫読日記風 2018、その47

古都 (新潮文庫)を読んだ。「もみじの古木の幹に、すみれの花がひらいたのを、千重子は見つけた」千重子は捨子であったが京の商家の一人娘として美しく成長した。自分に瓜二つの村娘と出会うことによって物語は動き始める。古都の面影、季節を淡々と織り込む…

コンヴィヴィアリティのための道具 (ちくま学芸文庫)、イヴァン・イリイチ著、Ivan Illich(原著)、渡辺京二&渡辺梨佐訳、読了、濫読日記風 2018、その46

コンヴィヴィアリティのための道具 (ちくま学芸文庫)を読んだ。知人から読書会のお誘いを受けて読み始めたのだが、非常に面白かった。イリイチ(1926 - 2002)はウィーン生まれの思想家、学校・病院制度に代表される産業社会への批判で知られる。教育、医療…

離脱・発言・忠誠―企業・組織・国家における衰退への反応、アルバート・O・ハーシュマン著、読了、濫読日記風 2018、その45

離脱・発言・忠誠―企業・組織・国家における衰退への反応 (MINERVA人文・社会科学叢書)を読んだ。創造的論文の書き方、伊丹敬之著、読了、濫読日記風 2018、その44 - 未来のいつか/hyoshiokの日記 で読んだ「創造的論文の書き方」でハーシュマンを紹介してい…

創造的論文の書き方、伊丹敬之著、読了、濫読日記風 2018、その44

創造的論文の書き方を読んだこの日記で何度も触れているように論文の書き方については「理科系の作文技術 (中公新書 (624))」がバイブルだと思っている。細かいテクニックについては類書を参照するとしても基本は「理科系の作文技術」だ。*1 *2知人のタイム…

マタギ(ヤマケイ文庫)、矢口高雄著、読了、濫読日記風 2018、その43

マタギ 矢口高雄 (ヤマケイ文庫)を読んだ。東北の行き当たりばったりの旅に持っていった。マタギ(狩人)の仕事を紹介している。分厚いがマンガなので読みやすい。 濫読日記風 2018 誰が音楽をタダにした?──巨大産業をぶっ潰した男たち (ハヤカワ文庫 NF)、…

誰が音楽をタダにした?──巨大産業をぶっ潰した男たち (ハヤカワ文庫 NF)、スティーヴン・ウィット著、関美和訳、読了、濫読日記風 2018、その42

誰が音楽をタダにした?──巨大産業をぶっ潰した男たち (ハヤカワ文庫 NF)を読んだ。これはすごい本だ。mp3を開発した男(国際標準化で大手企業と渡り合った)、田舎の工場で発売前のCDを盗んでいた労働者、業界を牛耳る大手レコード会社のCEOなどが登場する。…

社会的共通資本 (岩波新書)、宇沢弘文著、読了、濫読日記風 2018、その41

社会的共通資本 (岩波新書)を読んだ。社会的共通資本とは何かについて門外漢にもわかりやすく説明している。自分は社会的共通資本というものをよく理解していなかったので本書によって学んだ。 社会的共通資本は、一つの国ないし特定の地域に住むすべての人…

のうだま1 やる気の秘密 (幻冬舎文庫)、上大岡トメ&池谷裕二著、読了、濫読日記風 2018、その40

のうだま1 やる気の秘密 (幻冬舎文庫)を読んだ。図書館本。脳の仕組みからやる気について分析している。脳は飽きっぽいらしい。三日坊主はしょうがない。やる気が出たからこぶしを上げるのではなく、こぶしをあげたからなんだかやる気が出る(34ページ)。…

まんがでわかる 理科系の作文技術 (単行本)、久間月慧太郎(イラスト)、木下是雄(原作)、読了、濫読日記風 2018、その39

まんがでわかる 理科系の作文技術 (単行本)を読んだ。「理科系の作文技術 (中公新書 (624))」は自分にとって人生を変えた一冊だ。まあ、そのエッセンスをまんがという形式で薄めた本だとタカをくくって読んだが、意外(ごめんなさい)にも大変面白かった。ち…

琥珀の夢 小説 鳥井信治郎、伊集院静著、読了、濫読日記風 2018、その38

琥珀の夢 小説 鳥井信治郎 上下巻を読んだ。鳥井信治郎(寿屋洋酒店、後のサントリー)創業者の伝記。上巻は、丁稚奉公から豪華客船で神戸から小樽に行って戻ってくるところまで。序章で、丁稚時代の松下幸之助が鳥井信治郎に出会うエピソードがある。明治に…

幽霊たち(新潮文庫)、ポール・オースター著、柴田元幸訳、読了、濫読日記風 2018、その37

幽霊たち (新潮文庫)を読んだ。ポール・オースター、柴田元幸訳。ブルーはホワイトから、ブラックという名の男の見張りを必要がなくなるまでつづけてくれという依頼を受ける。週に一回の報告書をホワイトに提出すると、小切手が送られてくる。ホワイトはブル…

トム・ソーヤーの冒険 (新潮文庫)、マーク・トウェイン著、柴田元幸訳、読了、濫読日記風 2018、その36

トム・ソーヤーの冒険 (新潮文庫)を読んだ。ハックルベリー・フィンの冒けん、マーク・トウェイン著、柴田元幸訳、読了、濫読日記風 2018、その11 - 未来のいつか/hyoshiokの日記で書いた通り、先に柴田訳の「ハックルベリー・フィンの冒けん」を読んでいた…

物語論 (講談社現代新書)、木村俊介著、読了、濫読日記風 2018、その35

物語論 (講談社現代新書)を読んだ。自分の中で「積読製造器」というジャンルの本がある。書評系の書籍などはまさにそれだ。紹介されている本が読みたくなってどんどん積読が増えていく。恐ろしいジャンルの本である。本書は作家が自身の作品の創作について語…

金閣寺、三島由紀夫著、読了、濫読日記風 2018、その34

金閣寺 (新潮文庫)を読んだ。コンプレックスを抱えた主人公が金閣寺に放火するまでを描いた。三島由紀夫の美しい文体で構成されている。自分にはない語彙をこれでもかと散りばめているが注釈がそれを適度に補ってくれる。中村光夫解説ベッカリーア「犯罪と刑…

フクロウ、宮崎学著、読了、濫読日記風 2018、その33

フクロウを読んだ。本書は1990年第9回土門拳賞を受賞した。 独自に開発した、無人カメラによって初めて撮影が可能になった貴重なショットからなる。 野生のフクロウを南アルプスの長野県上伊那郡中川村に観測小屋を立てて密着取材した。木偏の上に鳥と書いて…

森の探偵―無人カメラがとらえた日本の自然、宮崎学、小原真史著、読了、濫読日記風 2018、その32

森の探偵―無人カメラがとらえた日本の自然を読んだ。独自に開発した無人カメラに映った野生動物たちの生態系が興味深い。クマが大きな肉球を持つのは無音で獲物に近寄って捕食するため(230ページ)とかなんとか。植物を食べる動物は蹄が発達している、なの…

フリーランスがずっと安定して稼ぎ続ける47の方法、山田竜也著、読了、濫読日記風 2018、その31

フリーランスがずっと安定して稼ぎ続ける47の方法を読んだ。組織にいながら、自由に働く。仲山進也著、読了、濫読日記風 2018、その30 - 未来のいつか/hyoshiokの日記で会社員でいながら自由に働く方法の紹介をした。本書はフリーランスでの働き方だ。フリー…

組織にいながら、自由に働く。仲山進也著、読了、濫読日記風 2018、その30

組織にいながら、自由に働く。 仕事の不安が「夢中」に変わる「加減乗除(+-×÷)の法則」を読んだ。働き方改革だ。本書は楽天大学学長、仲山進也さんの待望の書だ。仲山さんは楽天の中でも「がくちょ」と呼ばれる名物社員だ。自由に飄々としていられる。その秘…

図書館に訊け!、井上真琴著、読了、濫読日記風 2018、その29

図書館に訊け! (ちくま新書)を読んだ。図書館が好きだ。地域の図書館が好きだ。学校の図書館が好きだ。子供の頃から好きだった。 好きなわりには図書館を使いこなしていない。図書館の良さを引き出しきれていない。そんな気がする。図書館を仕事や調べ物をす…

機械との競争、エリック・ブリニョルフソン著、読了、濫読日記風 2018、その28

機械との競争を読んだ。テクノロジーは雇用を奪うか?本書は雇用を奪うという立場。技術の進化は長期的には雇用を生むというのが従来の説であったが、著者は技術の進化が早すぎて、雇用を奪うと主張する。4章で19の提言をしている。1、教育の投資、4、義…

ミライの授業、瀧本哲史著、読了、濫読日記風 2018、その27

ミライの授業を読んだ。世界を変えた20人の偉人についての本。14歳向けと書いてあるが、実は大人にとって重要な話が詰まっている。巻末には参考文献リストがあるので未読のものを読んでみたいと思った。ナイチンゲールが統計学者だった話、森鴎外がエビデン…

AI vs. 教科書が読めない子どもたち、新井紀子著、読了、濫読日記風 2018、その26

AI vs. 教科書が読めない子どもたちを読んだ。本屋で平積みのベストセラー。日本人は識字率が100%近いと言われているが、著者の調査によれば、日本語が読めても理解できていない子供達が多数いる。教科書すら理解できなければ、言語によるコミュニケーシ…

花殺し月の殺人――インディアン連続怪死事件とFBIの誕生、デイヴィッド・グラン著、読了、濫読日記風 2018、その25

花殺し月の殺人――インディアン連続怪死事件とFBIの誕生を読んだ。これは凄い。あんまり期待をしないで読んだ分、いい意味で驚いた。 1920年代、禁酒法時代のアメリカ南部オクラホマ州。先住民オセージ族が「花殺しの月の頃」と呼ぶ5月のある夜に起きた2件…

老人読書日記、新藤兼人著、読了、濫読日記風 2018、その24

老人読書日記 (岩波新書)を読んだ。映画監督の新藤兼人が88歳の時(2000年発行)に記した読書日記だ。妻を亡くして一人で生きる老人(身につまされるね)の生活。若き日の京都(1942年頃)、古書店とのほのぼのとしたやりとりとか印象的だった。西田幾太郎「…

MARCH 非暴力の闘い、ジョン・ルイス著、読了、濫読日記風 2018、その23

MARCH 1 非暴力の闘いを読んだ。米国の1960年代の公民権運動を描いたマンガだ。今から50年ちょと前、米国南部の黒人には選挙権がなかった。それを非暴力でどうやって勝ち取ったかの物語だ。主人公はジョン・ルイス、米国下院議員、1961年米国南部の州間バス…

情報生産者になる、上野千鶴子著、読了、濫読日記風 2018、その22

情報生産者になる (ちくま新書)を読んだ。研究指南書である。問いの立て方からアウトプットまで一気通貫に解説している。研究とは何か(32ページ)。上野はそのプロセスを、1)問いを立てる、2)先行研究を検討する、3)対象を設定する、4)方法を採用す…

アメリカ紀行(岩波文庫)、チャールズ・ディケンズ著、読了、濫読日記風 2018、その21

アメリカ紀行〈上〉 (岩波文庫)、アメリカ紀行〈下〉 (岩波文庫)を読んだ。7月にアメリカ旅行に行った時に持って行って列車で読んだ。上下二巻なので適度に長くて列車の旅には最適だった。 ニューヨークからサンフランシスコまで全米を鉄道で横断してみた - …

「イノベーターのジレンマ」の経済学的解明、伊神満著、読了、濫読日記風 2018、その20

「イノベーターのジレンマ」の経済学的解明を読んだ。自分にとっての忘れられない一冊に「イノベーションのジレンマ (―技術革新が巨大企業を滅ぼすとき (Harvard business school press))」がある。日本語訳が出てすぐ読んだ。2000年頃の話だ。シリコンバレ…

EVと自動運転、鶴原吉郎著、読了、濫読日記風 2018、その19

年末に向けて、読了して日記に感想を書いていなかった本をひたすら記すことにする。(日記の日付はテキトーなので忘備録として自分用にとっておく)EVと自動運転――クルマをどう変えるか (岩波新書)を読んだ。日本にとって自動車産業は残された希望の輸出産業…