未来のいつか/hyoshiokの日記

hyoshiokの日々思うことをあれやこれや

System R

IBMの実験RDBMS(関係データベース管理システム)のSystem Rは今から約30年前に開発されて、その後のRDBMSの実装の規範(?)を作ったというお話をid:hyoshiok:20050223 でした。
先日の日記では、上半分(upper half)、下半分(lower half)という言葉を使ったが、これはSystem Rの人達が、RDS(Relational Data System)とRSS(Research Storage System)とにわけて実装したことに由来する。(と思う)RDSを上半分、RSSを下半分というのはRDBMSを実装した事がある人には半ば常識で、自己紹介で「わたしは上半分やってます」とか言うと、「上のどこ?」という突っ込みには「SQLのparserです」とか「optimizerを少々」とか、下半分の人は「メモリ管理だ」とか「トランザクションだよ」とか言う事になる。RDSとRSSって何の略だったけかなあと思って今回googleしてみたのだけどなかなか見つからず。どーでもいいが一方のRがRelationalでもう一方のRがResearchつーのは、どーゆーことだよ。
それはともかく、コンピュータサイエンスの歴史に興味がある人は The 1995 SQL Reunion: People, Projects, and Politics, http://www.mcjones.org/System_R/SQL_Reunion_95/index.html は必読である。昔シリコンバレー時代に誰かに教えてもらって読んだのだけど、System R開発当時の様子が伺えて興味深い。会社の長老(?)エンジニアが実はSystem Rのチームに属していた事をその文書を読んで知ってびっくりした事を覚えている。(Jim Grayほど有名ではないので、それまで知らなかった)
System Rのチームからいろいろな会社へ技術者は行くのだけど、StonebrakerのIngress チームからもいろいろ派生してRDBMSの実装は高度化していく。まあ、そーゆー技術の蓄積の30年間である。