未来のいつか/hyoshiokの日記

hyoshiokの日々思うことをあれやこれや

OSSにおける成功したプロジェクトと開発者数

先日Rubyのまつもとさんと話をする機会があったので、Rubyの開発者像について聞いてみた。現在のChangeLogには130人くらいの人の名前が載っているのだけど、実際にごりごりコードを書いていす人はまつもとさんともう一人の方くらいで、あとはちょっとしたパッチを書いて送ってきた人が多数であるらしい。厳密な意味で言うとバザール(多くの人がよってたかって一見無秩序にコードを提供し、優しい独裁者がコードを受け入れる)という感じではないが、ユーザコミュニティや開発者コミュニティ、Rubyを紹介するエバンジェリストRubyでのキラーアプリ(例えばRuby on Rails)、頻繁な継続的なリリースなどなど、成功したOSSであることは間違いない。上に書いた厳密な意味でのバザールなるものがあるとしたらLinuxくらいになってしまうので、ちょっと狭い定義かもしれない。それはともかくRubyのエコシステムでは、著者(まつもとさん)を頂点とした開発者のネットワークがあってそれが非常にうまくまわっている。その成功から何かを学べたらと思う。
話をもどして、kinnekoさんのコメントhttp://d.hatena.ne.jp/hyoshiok/20060307#c1141713980

sf.jpの「登録ユーザ数:16,822」というのも1つの指標にはなると思いますよ。

sourceforge.jpのプロジェクトというのをみてみると本日1915となっている。開発のステータスをみると下記のとおり。http://sourceforge.jp/softwaremap/trove_list.php?form_cat=

  • Planning 14/370
  • Pre-Alpha 12/170
  • Alpha 22/196
  • Beta 38/274
  • Production/Stable 35/198
  • Mature 2/10
  • 全体 123/1218

各フェーズごとのアクティブなプロジェクト数、全体のプロジェクト数である。sourceforge.jpでどのようにアクティブと定義しているかは知らないが、sourceforge.jpの9割はアクティビティがない。
OSSのプロジェクトとしては、広い意味でのバザールがおこっているのはごく少数のような感じである。http://sourceforge.jp/top/mostactive.ph
OSSの強みが、多数の利用者開発者による持続的な改良発展だとするとsourceforge.jpの多数のプロジェクトはそのような状況にない。わたしはそれが実情だと思う。
OSSの開発者の定義を仮にsourceforge.jpの登録者としたとしたら、非常に多数のソースコードを(最近)書かない人々の数を計測することになる。OSSに興味がある層という意味であればそのとおりであるが、OSSそのものの価値を向上させる(実際にコードを書く)という意味での貢献は少ない。
わたしは、定義はどうであれ、実際にコードを書く人がもっと増えなければOSSの持続的な発展はないと思っている。そのためには、企業でOSSをいじっている人がもっと外に出てくる必要があると思うが、その数を推定することは難しいのも事実である。