未来のいつか/hyoshiokの日記

hyoshiokの日々思うことをあれやこれや

文字コードヲタク

あらかじめ言っておくけど、わたしは文字の専門家ではない。文字の専門家ではないが、コンピュータがデータとして文字を扱う以上、文字を表現する手段として文字コードというものを考えないわけにはいかない。一時期文字コードというものに関わったことはあるにはあるがあくまでも文字の専門家ではない。

文字コードに関しては、いろいろな考えがあって、百花繚乱である。日本のお家芸みたいな感じである。昔はソフトウェアの国際化なんていう考えがなかったので、いちいちソフトウェアの日本語化と称して、漢字やらカナを扱えるように大変な労力をはらって改造をしたりした。

先日のレガシーエンコーディングオフラインミーティング(http://legacy-encoding.sourceforge.jp/wiki/index.php?FrontPage)では、そのようなことを仕事としていたおやじ達(わたしみたいな年寄り)から若い人まで集まって、文字コードヲタクの昔話自慢みたいな感じになってしまった。ピザとビールで、延々文字コードについて嬉々として話すというのも異様な集団ではあるが、オープンソースのバザール的な集まりでもある。バザール的というのは、所属している組織も、会社も、年齢も、教育も、専門性もまったく異なる、日本的な組織論で言えばまったく接点がないように思えるような個人個人が自立的に集まりたいから集まって、共通の興味である文字コードについて徹底的に議論を戦わせるという意味で、日本という地域ではなかなか得にくい、バザールになっていたと思う。ま、変なコミュニティである。

もちろん反省もある。広報が足りなく、本来ならば参加してほしい人たちに十分情報が行き渡っていなかった。広報が足りないというのは、従来的なマーケティング手法の限界を露呈しているようなものではあるが、考えないといけない部分である。

いわゆる標準化の専門家には積極的に声をかけていない。すいません。私たちがやりたいことは標準を作るのではなく、実装を作ることである。コードを書くことである。パッチを作ることである。

しかし、日々コードを書いている人に十分情報が行き渡ったかというとそうでもない。今回の反省をもとに各OSSには適宜情報を流すことにしたい。プッシュ型の情報発信はSPAMと思われてうっとおしがられる可能性はあるが、SPAMよりは有益な情報があるだろう。OSSで日々コードを書いている人のアテンションを得られなければ何の意味もない。若干うざいと思われてもその位の図々しさは必要かとおもう。必要な人に必要な情報が行き渡らず後からなんで教えてくれなかった言われるくらいなら、当初は意図して積極的に情報を発信したいと思う。

北風と太陽

文字コードに関しても「北風と太陽」の作戦がある。北風派は、レガシーエンコーディングなんていう邪悪なものはさっさと利用するのをやめてUnicodeを使うべし、使うべしと言う。太陽派は、そんなこと言ったってレガシーエンコーディングは広く使われているわけで、今すぐにUnicodeに移行できるわけもないし、今困っている問題を解決しようと言う。仮にUnicodeに移行してもらうとしたら、レガシーエンコーディングを使いにくくして移行してもらうのではなく、Unicodeを使いやすくして、利用する人たちが喜んで移行するような道筋を作ろうというスタイルかと思う。

北風派の主張は正論なのであるが残念ながら現場の問題は解決しない。どんなすばらしい標準を作ったところでそれを実装するコードがなければ絵に描いた餅である。新しい標準に移行しろといっても、それをサポートする環境がなければ絵に描いた餅である。ここにある問題を解決しない。

太陽派は、現実をみているので、今ここにある問題を解決しようとする。

文字コードに関するバッドノウハウをいろいろまとめて世間のお役にたてようという試みが始まっている。