蕎麦屋
会社帰りに小腹がすいたので蕎麦屋による。取りあえずビール(中生)だ。なんにも考えないで中生というのが弱い。おねいさんがかわいい。つまみに塩辛その他をたのむ。ついでに枝豆もだ。
先日会社のロッカーから発見した古文書をぱらぱら読む。シリコンバレー時代に書いた駄文をプリントアウトしたものである。よくもまあこんなものを取っておいたものだ。単に捨てなかったというだけなのだが、積極的に捨てるという行為をしない限り、どうでもいいものは残ってしまう。
塩辛も枝豆もなくなったので焼酎お湯割を頼む。おねいさんがかわいい。
99年ころの駄文も発見される。日経ソフトウエアという雑誌に寄稿したエッセイである。細かいところで突っ込みたくなるような文章ではあるがおおむね著者の言いたいことはよくわかる。(って、自分が書いた文章なので当たり前なのであるが)
98年頃の文章はシリコンバレーで書いたものなので、時間と空間を超越して東京港区の蕎麦屋で焼酎お湯割をすすっているおやじの心に突き刺さる。
98年というのをあなたは知っているか?知るわけがない、失礼しました。
98年という年は今は亡き米国Netscape社がその基幹ソフトウェアであるNetscapeNavigatorのソースコードを公開した年なのである。(一つ勉強になった)
オープンソース元年なのである。そうすると今年はオープンソース9年になるのか。ふむふむ。
大聖堂とバザールという歴史的なエッセイをエリックレイモンドという人が97年に書いて、その影響をうけてNetscapeはソースコードを公開したと言われているが、そのような歴史の節目なのである。
そしてその節目に立ち会ったその興奮をいろいろ記していた古文書を自ら発見したのである。
蕎麦屋で一人焼酎お湯割をすすりながら8年前に記した日記を読んだ。意外と面白いではないか(自画自賛)
すいません、お勘定お願いします。
ありがとうございました。お気をつけて〜
いい気分になって蕎麦屋を出てふらふらと歩いていると、
お客様〜お客様〜かわいいおねいさんが追ってくる。
はっ?
お客様、携帯をお忘れです。
おおおお、どうもありがとう。
息を切らしながら小走りに追ってきたかわいいおねいさんに蕎麦屋の確かなサービスを感じた瞬間であった。
東京もまだまだ捨てたものではない。当たり前のサービスが心に染みる。時には蕎麦屋で一人酒を飲むのもいいと思った。