未来のいつか/hyoshiokの日記

hyoshiokの日々思うことをあれやこれや

勉強会大集合の作り方

一週間前のOSC 2008 Tokyo/Fallで開催した勉強会大集合を自分なりにふりかえってみたい。下記、長文になっちゃったけど、勉強会大集合の作り方である。

勉強会大集合をOSC 2008 Tokyo/Fallで企画するまで

今回の勉強会大集合は名古屋のコミュニティ大集合の企画にインスパイヤされている*1 *2 。OSC Tokyoでは出張か〜ねる読書会などをよくやっているので、それでもやるかという流れもないことはなかったが、名古屋での大決戦という企画が大変おもしろかったので、それの東京版、勉強会版をやってみたかったのである。

OSC事務局メーリングリストに流したら、早速、鈴木@LIND(id:lind)さんが協力を申し出てくれて、OSC連絡用Wikiのページを作ってくれた。鈴木さんは、コンセプト作りから事務的作業、裏方をとりまとめてくれた最大の功労者である。感謝したい。そして土曜日2枠という無茶なお願いで、当初は午前中しかあいていなかったのだが、関連コミュニティとの調整の結果、土曜日13時からという最もいい時間帯を確保してくれた事務局にも感謝したい。

コンセプト作り

ターゲットを、『これから勉強会を開催したり、手伝っていきたい』と思っている人にむけて話しをするのか、それとも『勉強会を開催したことのある人同士が集まって情報共有をする(横のつながりを作る)』事を目的にするのかで違うという指摘のもと、わたしとしては、『情報共有すると勉強会開催のいろいろなコスト(手間、ヒマ、集客、運営)を下げる方法が見えてきて(楽できる)、かつ楽しさアップのノウハウも集まって皆がうれしい。結果として、勉強会開催した事ない人も、ひょっとしたら自分も開催できるのではないかと思うかもしれない。そーゆーエコシステムができるとうれしい』というスタンスをかためた。『なのではじめっから開催未経験者ないし初心者向けセミナーはねらっていないです。ある程度勉強会ないしユーザー会をしきっている経験者がわらわら集まって、その経験談、苦労話、楽しかったお話などを共有しつつ、もっと楽に楽しくするにはどーしたらいーだろーーー、みたいなお話をできるとうれしいっす。』というようなことを事務局メーリングリストに記している。

方法論としては、

  • 上手くいっている点をどんどん出していただく(ベストプラクティの共有)
  • 困っている点をどんどん出していただく(皆で解決策を考える)

LT形式で自己紹介してもらい、そのパネルディスカッションという形式にした。*3

Face to Faceの会議をやった

日付 イベント 備考
8月6日 OSC名古屋、コミュニティ大決戦 勉強会大集合のヒントを得る
8月28日 コミュニティ大集合(案)提案、よしおか 事務局メーリングリストへの提案
8月29日 OSC 2008 Tokyo/Fall企画締切
8月30日 LL Future ドラ娘
9月13日 エンジニアの未来サミット ぐづぐづなパネル
9月24日 打ち合わせ、ミラクル・リナックス 初顔合わせ
10月3日 自己紹介的LT発表資料締切り
10月4日 勉強会大集合当日

自分の知り合いの勉強会主催者にも個人メールをいくつか投げ、勧誘、リクルート作業を行なった。どの勉強会に出てもらうのか、どのようにコンセプトを共有するのか、Wikiでの自薦他薦、メーリングリストでの情報共有だけではどうしても限界があるので、一度顔見せをして内容を詰めようということになった。*4

メーリングリストの議論でもLT(Lightning Talks)についてはLL(Lightweight Languages)系のフリーダムななんでもあり的LLではなく、ある共通のお題にそったポジショントーク的なものというような形に収斂していった。特にパネルディスカッションはぐづぐづになりやすいので、可能な限り構成や議論する内容について事前に打合せなどをやっておきたいという風になった*5。LTの切り替え時間がばかにならないので、事前に発表資料を送付してもらうという事にした。

9月24日の打ち合わせでは、当日の進行案、ネタ、LT、パネル等で議論すべきネタ出しをブレーンストーミングした。いきなりブレーンストーミングでは話が発散するので、腹案として、資料を用意しておいた*6。一番の問題は、参加グループが10を越えるので、話が発散して、参加者(観客)に消化不良の感がどうしても残ってしまう可能性がある、それをどうするのかという点であった。この消化不良感というのは、先日開催されたエンジニアの未来サミットに参加したわたしとしても強く感じていたので、パネルディスカッションという形式の限界というものをどう打破するのかが最も重要な課題として認識していた。2時間のセッションで消化不良にならないように、おもっきり素材厳選、旬の食材を皆様に味わってもらうこととした。

打ち合わせでの決定事項は

  • 発表勉強会の決定
  • LTは3分、一台のPCでLTを行ない、交代時間を短縮する
  • LTの資料は前日(10月3日)までに、モデレータに送付する
  • モデレータは、わたし

また、勉強会の連絡用にGoogle Groupを作成し、勉強会勉強会と名付けた*7

9月24日の打ち合わせでのブレーンストーミングでは多くの議論すべきネタが出て、それを当日いろいろいじるという感じになった。当日のメモが勉強会勉強会のメーリングリストに流れているので、それを参考にしていただきたい。

参加者の満足度をどう評価するかということで、

  • ブログに感想を書いた
  • 方法を試した
  • 実際勉強会を主催した

などをベンチマークとして、測定しようということになった

各勉強会は、それぞれの経験を惜しげもなく披露してくれた。今回とりあげられなかった、いいお話もいっぱい披露してくれた。順不同でいえば、ネタ探し、主催者のモチベーション、マンネリ化対策、初参加者への配慮、ドラ娘、

LL Futureからはドラ娘をパクり、エンジニアの未来サミットからはパネルディスカッション限界論を学んだ。

会議室で一時間半ほど徹底的に議論して、その後、新橋の街へ繰り出し、若干のアルコールをいれつつ更に議論をした。そこでも歴戦の獅子の皆様の熱い勉強会に対する思いが披露されていた。

そして打ち合わせでの議論、メモ、進行案をメーリングリストにながして共有した。

当日まで

ドラ娘については、Java-jaのヨシオリさんが連絡を取ってくれることになったのだが、残念ながら当日は都合がつかないということでドラだけを借用することになった。残念であった。誰か鉄砲玉になって、急遽ドラ娘をゲットしてこいという空気になったので、わたしが鉄砲玉になった。モデレータやるき満々であった*8

プレゼン資料については可能な限りrelease early, release often(早めのリリース、頻繁なリリース)というオープンソースのバザールモデル的な対応をお願いした。特に、Ruby勉強会@札幌など、地方からいらっしゃる勉強会は事前打ち合わせに参加できなかったので、トーンをあわせるのが難しいと考えたので早い時期から資料の提供をお願いした。またわんくま同盟には、基本的な運営のイロハを代表して語っていただくということで、10分枠を用意し、その資料についても事前に展開していただいた。

勉強会の発表順は、事前には特に決めていなかったのだが、資料の到着順とした。締切(10月3日の深夜)まで待ったのだけど、Cobalt Users Groupは当日資料をいただき、そして竹迫メソッドのshibuya.pmは間にあわなかった。

当日

当日のことは、d:id:hyoshiok:20081005#p1にあるような、総計12勉強会に大集合していただいた。当日、12時に会場に集合して、簡単な打ち合わせ、機材の確認、進行の確認、前半LT、後半パネルディスカッション、よろしくお願いしま〜す、となった。

鈴木@LINDさんのMCで開催したが、わたしの前説(なんでこの勉強会大集合をやりたかったのか)、わんくま同盟の勉強会開催のススメから、各勉強会のLT的自己紹介、そしてパネルディスカッションは、ほぼ予定どおり時間オーバもなく進行した。勉強会主催者の皆様はLTなれというか話なれしているので持ち時間3分間できっちり重要なことを発表されていた。すごいすごい。流石である。

その後、パネルディスカッションも、いいネタを存分に披露されていた。帯域が十分とれなかったのでインターネット中継で参加されていた方はよく聞こえなかった部分があったかもしれないが、今後にこにこ動画等で公開予定なので楽しみにしてほしい。

本日時点まだにこにこ動画にはあがっていないが、当日のustream.tvのクリップがあるので、音質等若干聞きにくい分もあるが参考にしてほしい。http://www.ustream.tv/channel/techtalkjp

Broadcasting Live with Ustream.TV

今回の勉強会大集合は自分にとっては大変満足の行くものであった。もちろん改善すべき点、問題点多々あるかと思うが、やってよかったと思う。これを地方にどう展開するのか、あるいは、今後も続けていくのか、等々いろいろ議論すべきところは多い。勉強会勉強会というプラットフォームも作ったことだし、ゆっくりじっくり考えていきたいと思う。

エピローグ

燃えつきて抜け殻になったのだが、その後、OSCの打ち上げで、LL Futureの法林さんや小山さんとお話をさせていただき、さらには、2次会まで仕切ちゃったのである。なんだか第1回よしおかひろたか飲み会みたいな感じになってしまった。

この一週間で、今夜は飲み行けるよ!ボタン*9も押したし、第一回ひがやすを飲み会*10にも行ったし、そしたら、エンジニアの未来サミットの宴会*11ですれちがったらしい、id:yuripopにも会えたし、勉強会大集合の素晴しい感想http://mochikoastech.blog113.fc2.com/blog-entry-73.htmlを記してくれたMochikoAsTechとも会ってじっくりお話できた*12。うれしいうれしい。

今後Internet Weekでの発表、パネルディスカッションなどがあるし、関西オープンソース(KOF)やOSC福岡などでも同様の企画が開催されるようである。この動きが日本全国に広がっていくことを期待したい。その中で自分が出来ること、出来ないこと、やりたいこと、やりたくないことなどを徐々に明確にしていきたいと思う。

来年10月ごろにはカーネル読書会も100回を迎える。そしてLinux Kernel SummitでLinusやAndrewが来る。カーネル読書会100回記念に彼等を呼ぶという野望に向けてがんばりたいと思う。

*1:いいものがあればパクる人生。それを公言してはばからない

*2:OSCの事務局メーリングリストに提案したのが8月28日で、申し込み期限が8月29日(金)なので、前日である。かけこみ申し込みである。

*3:9月9日ころ

*4:9月16日〜18日ころ

*5:エンジニアの未来サミットで学んだ

*6:http://metacon.googlegroups.com/web/osc2008tokyo_benkyoukai.pdf?hl=ja&gda=j38ILE8AAACu1gWHp-mR1akM0BoJ-ZIhS97ogeacH3hWVM1bNT7apnLsWt4Ds6Ss8N-xr-tXZ_Y1c9cpv1ppPJmOjRYkKDf30nRYSR7E-M0T7czny_dBVw

*7:http://groups.google.co.jp/group/metacon?hl=ja

*8:Twitterでお願いしただけなんだけどね。id:koyhogeに褒められた、てへ

*9:d:id:hyoshiok:20081009#p2

*10:d:id:hyoshiok:20081009#p1

*11:d:id:yuripop:20080916:p1

*12:id:higayasuoには合コンと勘違いしていると揶揄されちゃった、てへ