未来のいつか/hyoshiokの日記

hyoshiokの日々思うことをあれやこれや

社内勉強会をやりたいのに上司が認めてくれなかったら

社内で勉強会やりたいと会社に言ったら、「言うまでもない」と断られた。http://d.hatena.ne.jp/hkhumanoid/20090205/1233844080

せめて、自社の人間と活動をスタートして、そのうちグローバルになればいいかなぁという気持ちで、会社に相談してみた。

結果・・・

「言うまでも無く、駄目。」

えーーーーっ!!

正直ショックだ。社内勉強会を開催しようなどと煽っている*1責任の一旦はわたしにもあるので、なんで、会社が認めてくれないか考えてみた。考えてみたところで状況が変るわけではないし、そんな会社が存在するということを想像もしていなかった事自体、わたしが世間を知らないことなのかもしれないけど。世の中は広いので、ブラックな会社は存在はするだろう。だけど、従業員のモチベーションを挫いて何かいいことがあるんだろうか。本当に良くわからない。

当該ブログを読んでみると客先常駐のエンジニアが自分の会社で勉強会を開催したいと相談したら駄目と言われたということらしい。その会社の事業というのが、客先常駐、派遣で自社での開発とかは無さそうだ。客先へ一人月いくらで派遣というビジネスモデルのようである。一人月いくらというビジネスでは極論すると生産性向上のインセンティブはない。生産性が向上して10人月かかったものが5人月でできてしまうと単価が一緒ならば売上が半分に減ってしまうので、生産性を向上させるより従来通りの方法で10人月かけて開発する。生産性向上の分、単価を上げることができればいいのだが通常はそのような事はできない。また、客先常駐で作業をしている場合は、生産性が高かろうが低かろうが、作業をしていれば決った単価の売上があるので、そこに生産性を向上させるインセンティブが働きにくい。

ソフトウェアの会社であれば、その技術力というのは人に依存する。機械とか設備がソフトウェアを作っているわけではないので、その生産性を向上させるには、技術者を教育して、その人が生み出す価値を向上させるというのが王道中の王道である。

従業員が自らの時間とエネルギを使って、その価値を向上させようとしているのに、それを推奨するのではなく、むしろ禁止する。わたしには、その上司ないし経営者の考え方がどうしても理解できない。わたしが、その人の上司であれば、推奨することはあっても禁止することはありえない。むしろ、よくそのような提案をしてくれたと感謝をするであろう。

にもかかわらず、その会社はそれを禁止した。

先に書いたとおり人月ビジネスをしている場合は生産性向上、技術者の技術力向上に深いインセンティブはない。しかし、技術者を教育しなくて、IT業界に生き残っていけるのだろうか。そのような会社は技術者にとって魅力的な会社なのだろうか。そのような会社は売上を伸ばすにはどうすればいいのだろうか?短期的な視点で言えば、技術者を教育したところで急激に売上を伸ばすことはできない。それはそうであろう。だけど、中期的に見て、技術者にとって魅力的でない会社に人は残るのだろうか。むしろどんどん人材が流失してしまうのではないだろうか。人材流出は企業にとっては大きなコストが発生する。どう考えても、勉強会を開催するコストよりも勉強会を開催しないリスクの方が大きいと思う。それともこんな単純なことが理解できないほど、上司は愚かなのか?それともこんな単純なことが実施できないほど、その会社には深い事情があるのであろうか。その事情をわたしは理解したい。どのような条件のときに、勉強会を禁止することが経済合理性にかなっているのか。

例えば、プロジェクトが火を吹いていて、勉強会どころではない(たまたま提案したタイミングが悪かった)、とか、上司が提案を誤解していて(どんな誤解をしたのだろう)提案がとんでもない風に聞こえたとか、社外の人が参加すると誤解したとか、うーん、どんな事情があったのだろうか。

はてブを見ていると会社になんか一々聞かないで勝手にやればいいじゃないかというコメントもあったりするが、本来ならば、会社の同僚と一緒にやるのは推奨すべきメソッドであって、むしろそれができない状況があったりしたら、その状況を変化させるようなベストプラクティスを共有したい。それの方が皆の幸せに繋るし、それがひいては生きやすい社会に繋ると信じるからである。

しかし、そーゆー会社が多いのか。そーゆー会社に勤務したことがないので知らなかったけど。わたしの世間知らずを嗤ってほしい。

*1:よしおかひろたかの「初めての勉強会」第7回 社内勉強会で組織を活性化せよ http://jibun.atmarkit.co.jp/lcom01/rensai/first/07/01.html