未来のいつか/hyoshiokの日記

hyoshiokの日々思うことをあれやこれや

急募:プロの経営者

ogochanが『「天才エンジニア」でIT業界は変わらない 』*1 と吠えている。業界に必要なのはプロの経営者だ。

カーネル読書会なんていう、勉強会だか飲み会だかわかんないへんなものを10年続けているとわたしみたいな盆栽、もとい、凡才でもよくわかる。すげー技術者はいっぱいいる、面白い技術者はいっぱいいる。にもかかわらづ日本にはMicrosoftOracleIntelGoogleもない。そして日本にはBill GatesもLarry ElisonもAndy GroveもEric Schmidtもいない。

いないいないと嘆いてもしょうがないのである。元気のいい技術者を発見して、面白がって、それすげーよと言ったり励ましたり拍手をしたり、そーゆーことをするくらいしか自分にはできない。半径5メートルのなかで自分ができることをできる範囲でやるしかない。

とは言うものの、ここでプロの経営者がいないと嘆くことで、インターネットの向こうにいる誰かが、その問題に気がついて何かをしてくれるかもしれないので、いくつかのヒントを記して置くことにする。

例えば、先日開催されたWISH*2 というイベントは、日本は全然残念じゃないよというメッセージを発していた。面白いアイデア、サービスの萌芽があった。そして、私達は残念じゃないサービスやアイデアや技術があることを知っている。そして足りないものはなにかというとその萌芽をカネに変えるエンジンだ。そしてそのエンジンこそがプロの経営者だと思う。

米国では経営者を育成するシステムがある。それがMBAのようなものであったり、起業家精神を大事にするという文化であったり、コミュニティの共通のコンセンサスだったりする。

日本はベンチャーは尊敬も賞賛もされないし、むしろ胡散臭いものだと思われている。実際胡散臭い山師もいるだろうが、結局のところ社会にとって役に立つ必要ななにがしかを実直に提供していく事で理解を得ていくしかないと思う。

MBAという仕組みが経営者を育成仕組みとして優れているのかどうかはよく分からないが、同じ志を持ったテンションの高い人間をある一定期間集めることで人的ネットワークを意識して構築している。経営の手法のイロハを教えるという第一義的な機能より、そこに集う若者のネットワークが、その後のプロの経営者としてデビューする人々にとって大変な財産になっている事が重要だと思う。共通の言語を持つコミュニティの醸成こそがMBAの価値なんだろうなと想像する。

一方、日本の大企業は、年功序列だから、社内事情にたけたものが結果として経営者になる。その経営者と世界的なネットワークを持つ経営者との勝負になってしまうのだから、草野球対プロ野球だと思う。

結局、大人のやるべきことは、プロの経営者をどう育てるか、その仕組みを作るのかということだと思うのだけど、そんなことは可能なのだろうか。ハッカーは育てるのではなく、ハッカーになるというのと同じで、世界的な経営者を育てるなんんてことは不可能で、世界的な経営者にその人が勝手になる、ということなのだろうけど、だからと言って何をしなくてもいいというわけではないと思う。それをどうすればいいのかまったくわからないので、ここに記して皆さんと一緒に考えていきたい。

松下さんも本田さんも井深さんも盛田さんも昭和の世界的な経営者だったけど21世紀の彼等はいまどこにいるのだろうか。