未来のいつか/hyoshiokの日記

hyoshiokの日々思うことをあれやこれや

2009年を振り返る

2009年の重大ニュースを3つ上げるとすれば、(1)家族に大きな怪我も病気もなく大過なく過ごせたこと。(2)楽天に転職したこと。(3)第100回カーネル読書会Linusをはじめとする世界中のカーネルハッカーが多数参加してくれて大盛況だったこと。ということになる。

自分の三大ニュースは、結局個人的なことになるわけで、2009年をそのように記憶し、未来のいつか、そのように思い出すと思う。

社会的には政権交代など大きなニュースがあったが、自分の生活や家族のことの方が、自分にとってはもちろん大きなニュースである。

昨年の今頃を想い出してみると、リーマンショック以降の不景気で年越し派遣村とか暗いニュースが多かったと思う。自分の未来をそれに重ね漠然とした不安感を持っていた。昨年はミラクル・リナックスの取締役CTOを退任し、一技術者として仕事をしたというのが自分にとって一番大きなニュースだったわけであるが、昨年の時点で、今年楽天に転職し技術理事になっているなるなんてことは夢想だにしなかった。人間万事塞翁が馬

50歳を越えての転職活動という経験も得がたいものだった。「ヘッドハンティングかなんかだったんですか?」という質問を何人かの方に頂いたが、自分の意志で履歴書を書き面接を受けたというのが本当のところである。

10年前の今頃はシリコンバレーから帰国し、Oracleデータベースのサポートエンジニアとして、淡々とした日常を送っていた。ミラクル立ち上げの話は年末だか年明けだかに聞いたので、1999年の時点では、その後日本でリナックスビジネスにコミットし自らがそれを牽引するなんていうことは、これも夢想だにしていなかった。ITバブルとその崩壊。オープンソースの隆盛。様々なイベントを当事者として経験できたことは僥倖であった。

経営者としては、十分な成果を残せなかったが、YLUGの仲間とカーネル読書会を継続し続けられたことは大きな喜びである。オープンソースの価値をビジネスという側面から展開することに成果を上げられなかったのは残念であるが、それ以外の価値があるということを身をもって経験できたことは幸せなことであった。

10年前に今の自分を見通せたかというと、そんなことはありえない。1年前の自分ですら、今の自分を想像できなかった。その時その時、様々な思いの中で自分にとってベストだと思うことを重ねてきたら今の自分にたどり着いた。そういうことだと思う。

楽天という企業の中で、どのような貢献ができるのか。オープンソースコミュニティでどのような貢献ができるのか。社会に対してどのような貢献ができるのか。そのようなことを考える年の瀬である。

本年もお世話になりました。来年もよろしくお願い致します。

よいお年を。