未来のいつか/hyoshiokの日記

hyoshiokの日々思うことをあれやこれや

もう一度、トム・マッカーシー著、読了

もう一度 (新潮クレスト・ブックス)を読んだ。

昏睡状態から目覚めた「僕」は、自分が事故で記憶の大半を失ったことを知る。「事故について何も語らないこと」を条件に巨額の示談金を得た彼は、広大な土地を買い上げ、大勢の役者を雇い、執拗に練習を繰り返して、おぼろげな過去を忠実に再現しようと試みる――。

そもそもなんで記憶をなくした「僕」が、自分の記憶を再生するために(?)、大勢の役者(?)を雇い、過去を再演しようとするのか?謎が謎をよぶ。ひたすら練習を繰り返し過去をなんどもなんども再演する。再演することがあらぬ方向へ向かっていく。

不思議なリズムと読後感を持つ。
なんでこの本を読もうと思ったのか、今となっては思い出せないけど、多分、新聞の書評かなんかだったと思う。http://www.nikkei.com/article/DGXDZO68697760S4A320C1MZB001/

過去の記憶を取り戻すという設定が結構怖い。事故によって過去の記憶をなくすのと、飲んで記憶をなくすのに共通点はあるのかなーとか思った。いやはや怖い怖い。面白かった。