未来のいつか/hyoshiokの日記

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ファシリテーションスキル演習

はこだて未来大学で開催されたファシリテーションスキル演習を見学した。昨日、デザインワークショップの発表会に参加して、その流れで参加した。函館でデザインワークショップの発表会を見学した - 未来のいつか/hyoshiokの日記

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ファシリテーションスキルを身に付けてプロジェクトを円滑に進める。実践的なスキルを学べるのが素晴らしい。わたしも演習に参加したかった。(今回は見学だけ)



ファシリテーションのスキルは、会議を有効に行うために必須のスキルである。われわれは日々会議をしているが、多くの会議は実にアドホックに場当たり的に行われている。その会議を効率的に再構築するのがファシリテーションのスキルであり、ファシリテーターである。

そのスキルは書籍を読んだだけでは身に付かない。スキルなので、身につけるには訓練が必要である。自転車に乗れるようになるには何度もころんだりしながら練習をする必要がある。何もしなくてファシリテーションのスキルが身に付く訳がない。そのため、このようなワークショップ(演習)が重要になる。

この手のスキルは学生にとっても重要だとは思うが、社会人にとっても、基本的なスキルである。

世間で行われている会議の実情を考えると、一人一人がそのスキルを身につけるメリットは計り知れない。

ファシリテーションのレベルとして

  1. 会議のためのファシリテーション。今回の演習の内容でありすべての基本
  2. チーム活動のファシリテーション。プロジェクト活動でのPMOの活動を対象にする
  3. 組織全体のためのファシリテーション。企業の組織変革を対象にする

この演習を通じて会議を有効に開催する形式知とスキルを身につける。スキルなので1日の演習だけで身に付くと言うことはないが、今回の演習での気づきを実際の仕事のなかで意識しながら使っていけばよりよい会議を行えるようになる。企業の中で展開すれば無駄な会議が減って、参加者のストレスが減り、コストも削減できて生産性も向上し、みなハッピーになれるのではないかと思った(いや、まったく本当にそう思う)。

例えば、会議のあるあるとして(よくない会議)、欠席するメンバーが多かったり、会議の回数が多く(本当に必要なのか?)、会議の時間が長くて、延々と議論ばかりしていて結論がでない、声の大きい人が延々と演説をしていたり、一言も発言しない人がいたり、会議での議論や決定が記録に残されない(議事録が出ない)、会議の目標やゴールが明確でなかったりする。

あ、それ、よくあると思ったあなた。そのような会議をどうにかするワークショップである。

会議をよりよくするために、会議を設計して、アジェンダを作って、実際に会議を運営する。このプロセスの中でファシリテーターの役割は大きいし重要だ。

アジェンダには、目的を明確にし、会議での成果、ゴールを記し、会議のルールを提示し、日時、開催場所、参加者の役割を明らかにし、プロセス、順番、使用するツールを明確にする情報を含める。事前に参加者全員に配布する。

議事録はそのアジェンダから作る。アジェンダにない議論は、別途必要に応じて議論するとする。脱線する話題を持ち出す参加者は、善意でその話題を出す場合が多いので、別途議論する必要がある。

講義と演習(実際に会議をやってみる)という形式でワークショップが進むのだが、演習が非常によく練られているので、ファシリテーションの難しさを経験できる。その実習で、講義で習った筈のことがまったく実践できないことを経験する。そしてそれが大きな気づきになる。

例えば、会議の参加者で次のような困ったメンバーへの対応方法はどうすべきかと議論する。困った状況;発言しない参加者、声の大きいメンバーで議論を牛耳る、本音の議論にならない、やる気がない、話が堂々巡りしている、話が脱線する、感情的に参加者を攻撃する、時間がきても結論がでない。などなどを準備段階、会議の最中でどのように対処するか。

ロールプレイングで、困った参加者を演じつつファシリテーターがそれに対処する。どのようにファシリテーターが、その状況をさばいていくのか。その訓練を行う。

この演習には生徒として参加して経験したかった。(今回は見学だけ) 組織に属しているとその時間の多くは会議に占められている。そこでその会議を有効に行われるようになれば、大変なメリットがある。それにも関わらず、会議の行い方の正式な教育・訓練を受けていない。今からでも遅くないので、ぜひ、ファシリテーションスキルの研修を会社で行いたいと思った。

ファシリテーターは決断をする人ではない、会議をまとめて、議論を尽くす場を仕切る。コンセンサスを得る議論を限られた時間内で行う。そのようなスキルを持った人である。ワークショップという限られた環境の中で演習をするのはプールで水泳の練習をするようなものである。このような訓練もないまま現場に放り込まれるということは、経験も知識もまったくない状況でライフジャケットもないまま荒波に飛び込むことを要求されているのに等しい。

ファシリテーションスキルこそわれわれが獲得しなくてはいけないスキルの一つである。

8/19 追記:参加者が写っている写真については削除しました。