未来のいつか/hyoshiokの日記

hyoshiokの日々思うことをあれやこれや

濫読日記風、その7


連休の初日に読んだ。

生命、エネルギー、進化。読了

『生物学の中心には、ブラックホールがある。率直に言って、なぜ生命は今こうなっているのかがわかっていないのだ』本書は生物学のわかっていないことを丁寧に解説している。すごい本だ。

生物学の知識を持たない自分が本書を読むのは難しい。例えば本書には「ミトコンドリア」の説明があるが、「すべての真核生物にはミトコンドリアがある」という文をスラスラと読みこなすことには困難を伴う。

自分は理解不能な文に出会っても、とりあえずそれは置いておいて前に進むことような読み方をしている。そのような読み方が正しいのかはわからないが専門家ではないので気にしないことにしている。

それはともかく生物学の最先端の問いにまつわる物語を知ることは実にエキサイティングだ。本書を理解したとは到底言えないが未解決の問題を未解決だと言い切る著者の姿勢に科学者の誠実な姿勢を感じた。

生物学に関する入門書を幾つか読んでまた再読したいと思った。


僕らが毎日やっている最強の読み方;新聞・雑誌・ネット・書籍から「知識と教養」を身につける70の極意。読了

本の読み方に興味がある。読書法に関する書物は古今東西さまざまなものがある。書籍から情報を得る、知識を得るというのは勉強の基本中の基本だ。自分は読解力というのが十分ではない気がして、どうにかそのリテラシーをつけたいと思って、あれやこれや読んでいる。ネット時代にはネット時代に適した読書法があるのではないかと思っていたところ本書を発見した。

新聞、雑誌、ネット、書籍の読みこなす「技法」について書いてある。ジャーナリストの池上彰、作家の佐藤優の共著だ。当代一流の知性が著した実用書なので読みやすい、重要なポイントはマークしてある。それぞれの極意には番号が振ってある。大学受験の学習参考書みたいだ。(よく知らないけどw

著者は職業としてのジャーナリストや作家なので新聞は6頭、電子版・駅売などを含めると10紙とか11紙購読している。いやいやいや、そんなに新聞読まないでしょう。新聞は二紙以上併読するって、フツーの会社員には参考にはならない。知のプロレスを見ているような感じである。

雑誌もさまざまな週刊誌・月刊誌を購読している。いやーすごいっすね。というわけで知のプロレス面白い。

ネットの使い方も出ている。基本的にはネットは玉石混合で、ウィキペディアは鵜呑みにしてはいけない。それはそうであるが特に新しい指摘ではない。

ネットでの情報の収集、保存、確認、編集、発信・共有などの手法については朝日新聞記者のネット情報活用術 (朝日新書)などが実践的なテクニックを扱っている。

池上彰佐藤優の立ち位置としてはネットはあくまでも補助的な存在ということだろう。おすすめサイトリストは公式サイとがずらり。情報の真偽については確認が取れたものだけを利用するという立場である。

まあ、ここまでで本書の2/3である。

面白かったのは後半の書籍の読み方、教科書・学習参考書の読み方である。

世の中を理解するには書籍が基本ツールであるとして、速読、多読、精読方法を指南している。

古典を読め。古典のいいところは、相手が内容を知らなかったら「読んでいないあなたが悪い」と言えることである(222ページ)。うむ。古典を読んでみたいと思った。実にミーハー的な動機ではあるが一理あると思った。妙に説得力があるのが怖い。別に古典を読んでいなくても人生で困ったことはほとんどないとしても豊かな人生を送るにはちょっとは読んだ方がいいかと思った。

知は「武器」であり、「楽しみ」でもある(5ページ)

後半の1/3くらいが本書のクライマックスでそれを読むだけでも価値がある。前半と後半では全く印象が異なっていたが読んで楽しいおすすめの一冊だ。



アメリカの大学生が学んでいる「伝え方」の教科書。読了

会社の隣に蔦屋家電二子玉川)がある。お洒落なカフェがついた日用雑貨・家電製品もある書店だ。座りごごちの良さそうなソファや電源のついている机もある。マックを利用している人もいる。バギーで子供を連れているママもいる。そんな空間だ。

本棚には「食」「美」「住」などのコンセプトでオシャレなレイアウトがされている。デザイン関係の大型本を眺めるにはいいが必要な書籍を探すというのには向いていない。少なくとも自分の興味の範囲のコンピュータ関係の書籍を探すことは不可能に近い。ちょっと苦手なタイプだ。美人だけどとっつきにくい。お近づきになりたいようななりたくないような、本当は気さくでいい人なんだろうけどきっかけが必要だ。

昼休みに図書館でマッチ箱の脳(AI)―使える人工知能のお話を借りたので、どっかソファで読もうとぶらぶらしていた。

図書館で借りた本を本屋で読むというのもどうかと思うが、オシャレなカフェで本を読むと考えればあながち間違いでもないような気がする。そんなこんなでぶらぶらと「旅」、ハワイ・アメリカ・ヨーロッパの棚を眺めていたところ、本書を発見した。

アメリカ大陸を車で横断するというのが自分の夢なのだが、オシャレな蔦屋家電アメリカの棚でアメリカの大学生が学んでいる「伝え方」の教科書というのを発見するのも何かの縁である。ジャケ買いした。

The Art of Public Speaking、12版の翻訳である。日本語版で索引などが付いていないので若干の改変があるのではないかと推測する。

「話し手責任」。自分(話し手)が言ったことが伝わらないのは話し手に責任があるという立場である。聞き手に伝わらなければ意味がない。どのようにして相手に伝えるかその技術を本書は丁寧にわかりやすく説明している。

プレゼンをする目的が「情報を伝える」のか「相手を説得する」のか、その目的を踏まえた上でプレゼンを行う方法を丁寧に説明している。例が豊富でわかりやすい。チェックリストを参考にしながらプレゼンを構築したいと思った。

濫読日記風