未来のいつか/hyoshiokの日記

hyoshiokの日々思うことをあれやこれや

本を読め、恋をしろ

モノを書いて自由に生きる。―Writer Career Meeting―というイベントに参加した。

ローカルジャーナリストの田中輝美さんと作家・編集者の田村真菜さんのトークを中心にジャーナリストで法政大学社会学部准教授藤代裕之さんがモデレーターをするという構成だった。

田中さんと田村さんの創作の方法などを藤代さんが質問しながら引き出していく。

田中さん、20代新聞記者の頃、ひたすら書くことによって、書く訓練・修行をした。書けることの面積を大きくして行って、書きたいこととの接点を大きくした。本を読むときは(使う前提で)いいフレーズをメモる。人が書いていない穴を探す。人と同じ仕事は来ない。書いたものについてのフィードバック、例えば、どこがわかりにくかったかなどを聞く。

フリーランスになる時、周りの人は、食うためにやりたくないことをやることになるから、みんなやめておけと言う。やりたいことをやるために稼げばいいのだなと思った。講演はコスパがいいので受けるが、講演ばっかりになると書くのが雑になるので、バランスが重要。ライティング講座などもやる。学ぶことにコストをかける人は多いので需要はある。固定費を下げるために飲み会にはいかない。飲み会に行くくらいなら仕事をしましょうと言う。

スキルの向上の仕方。図書館でその分野の本を十冊くらい読む。教育に投資する。新聞社を辞めた後、大学院に行った。読書記録をつける、インプットだけでは力にならない。人に本を贈る。年間100冊以上は読んでいる。

仕事の仕方。締め切りを守る。受け取りましたのメールを出す。60%の出来でも締め切りまでに出す。待っている人の不安を減らす。書き直しは後でもできる。

インタビューは知らないことはスルーしちゃうので、相手のことをいっぱい調べる。そうすると相手の扉が開くことがわかる。

記者時代、先輩に「本を読め、恋をしろ」と言われた。恋をするというのは対象に興味を持っていっぱい調べて好きになることだと理解した。

藤代さんが田中さんの興味深いエピソードをグイグイと引き出して行った。

感想:企画力x取材力x文章力をどのように高めていくのか。職業としてのライターとはどのようなものかというヒントに満ちたイベントであった。

文章力はフィードバックの質と量による。新聞記者の場合は、先輩記者や上司が徹底的にチェックしダメ出しをすることによって鍛えられる。フリーランスの場合は、その密度が低いので成長のスピードは遅くなる。

田中さんの新著を売っていたので購入した。乗り鉄(JR全路線を乗った)。日経グローカルで連載を持ってそれを元に一冊の本にまとめた。

ローカル鉄道という希望:新しい地域再生、はじまる

よそ者と創る新しい農山村 (JC総研ブックレット)は、田中さんの修士論文が元になっている。