未来のいつか/hyoshiokの日記

hyoshiokの日々思うことをあれやこれや

超ソロ社会、平田オリザさん、文学入門など、読了、濫読日記風、その15

超ソロ社会 「独身大国・日本」の衝撃 (PHP新書)を読んだ。

(乱読日記風で紹介したい本がどんどん溜まっていて消化不良になっている。積ん読ならぬ積み書き)

日本の人口減少と非婚化のトレンドをデータを駆使してこれでもかと解説した書である。
第1章 増えるソロで生きる人たち、第2章 ソロで生きる人々を許さない社会、第3章 男たちは嫌婚になったのか、第4章 結婚してもソロに戻る人たち、第5章 ソロたちの消費、第6章 ソロ社会の未来
生涯未婚率が過去最高水準(男性で23.4%、女性で14.1%、2015年)を更新しその傾向が続くとしているが、戦後その水準が低かったのは、女性にとって「結婚しない」という選択肢がなかった(28ページ)ということが書いてある。1986年の男女雇用機会均等法によって「男は仕事、女は家庭」という性別役割分担意識がなくなった。
日本では、「結婚することが当たり前」「家庭を持ち、子供を育てこそ一人前」、いわゆる「結婚規範」が根強い(37ページ)。たかが結婚するかどうかで人間の価値は決まらないが、独身男性の中には結婚規範に振り回されている未婚者もいる。(44ページ)

若い人たちにとって結婚するって大変なのね。(他人事でゴメンなさい)

平田オリザさんの著書など

先日、平田オリザさんの講演を聞く機会があったのだが、講演前にどのような人なのかを知りたくなって、下山の時代を生きる (平凡社新書)を読んでみた。言語社会学者の鈴木孝夫との対談である。

文化の多様性が人間を守っているショックアブソーバー(62ページ)という鈴木の指摘は面白い。人類は世界中のありとあらゆる環境のところに住むのだけど、その環境に適応できているのは文化というショックアブソーバがあるからだという。戦略なき日本が生き延びたのはたまたま運が良かっただけだ(80ページ)。

上記の本を読む前に、下り坂をそろそろと下る (講談社現代新書)も読んでみた。

人口減少で社会の活力が削がれつつある時代にどのように生きるか。非常に示唆に富む議論が展開されていた。
サモワールという言葉を知った。電車に乗って旅をするときには知らない人に声をかけてみようと思った。それがなぜかは本書を読んでほしい。

文学入門はスゴ本だ

伝説の灘校教師が教える一生役立つ学ぶ力、橋本武著、読了、濫読日記風、その14 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
で紹介した「伝説の灘校教師が教える一生役立つ学ぶ力、橋本武著」の参考文献に載っていた文学入門 (岩波新書 青版)を読んだ。1950年に書かれた本だが、文学に対する真摯な姿がすごい。太平洋戦争が終わって食うものもない時代に、それだからこそ文学が必要だったのだろう。五十冊の読書リストが付いているので、そのリストを元に読書の幅を広げてみたいと思った。正直に言えば、その50冊のうちの一冊も読んだことがなかった。手始めに「罪と罰」から読んでみた。50冊を読破するには10年はかかりそうだ。文学入門の羅針盤として最高の一冊かもしれない。

濫読日記風