定年バカ、勢古浩爾著、濫読日記風、その30
定年バカ (SB新書)を読んだ。
若い人は興味はないと思うが、定年について書かれた「定年本」というジャンルがある。本屋で探してみると、そこそこ見つかる。
自分は、なんやかんや言って、来年で還暦なので、嫌でも「定年本」に目がいく。本屋ではついつい手に取ってしまうし、そこそこ読んでいる。
働きかた系の本という意味では、「LIFE SHIFT(ライフ・シフト)―100年時代の人生戦略」なんかも、広いくくりで言えば、「定年本」のジャンルにかすったりする。
人生100年時代だ。人生二毛作である。単線的な、学校を出て、就職して、一つの会社に定年まで勤め上げて退職金をもらって、老後は年金で生活するというライフスタイルはとっくの昔に破綻している。
多くの「定年本」は玉石混合で、碌でもないものも少なくはない。むしろ碌でもないものが多い。
本書は、そのような「定年本」を切って捨てる。老後の経済的な心配をして、生きがいを持って、社会と繋がるなどなど、いらないおせっかいである。「自分の好きにすればいい」のである。
身も蓋もない。
多くの「定年本」は胡散臭いと私も思う。ほとんどが箸にも棒にもかからない。
本書は、そのような箸にも棒にもかからない「定年本」を切って捨てているのが潔い。最後に本書で紹介した「定年本」39冊について、著者の評価が星三つで示されていて、面白い。けちょんけちょんにけなされている本を読んでみたいと思った。ブックリストとしても使える。
面白かった。
濫読日記風
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