未来のいつか/hyoshiokの日記

hyoshiokの日々思うことをあれやこれや

参議院候補

改札出口に参議院候補がいた。運動員がビラを配っている。名前を書いた白いタスキを肩からかけている。通り過ぎてからふと思い立って踵をかえす。「XXXXさん、質問があります」候補者が怪訝そうな顔をして握手を求めてきた。「XXXXさんはなんで議員になろうと思ったのですか?」候補者に勇気を出して聞いてみた。終電間際のターミナル駅。改札から人々が流れている。運動員が大きな声でXXXXをよろしくお願いしますと叫んでいる。誰も聞いていない。改札口から流れていく人々の日常の中に候補者はいない。誰も聞いていない。聞いていない人々に向かって運動員がXXXXをよろしくお願いしますと叫んでいる。「あなたはなんで議員になろうと思ったのですか?」聞いてみた。「ここに書いてあります」とパンフレットを渡された。わたしはその候補者の肉声を聞いてみたかった。なんで人生をかけて議員になろうと思ったのか?たとえ建前でもいい。奇麗事でもいい、肉声を聞いてみたかった。疲れかけたその候補者の熱い思いは伝わってこなかった。

あなたはタスキをかけて朝から晩まで改札口にたって、こーゆーことをしたかったのですか?

横から運動員が見かねて入ってきた。多くの人に伝えるためにはしょうがないんです。

それって国民を愚弄することになりませんか?わたしは聞いてみた?この方法、改札口に深夜までたってビラを配ることが、あなたの政策を伝えるために、あなたのやりたかったことを実現するために、あなたの理想とする社会を作るために必要なことなんですか?

もしそうだとしたら、わたしはおかしいと思う。何かがおかしいと思う。

あなたにメールを書いたら返事をくれますか?

運動員に促されて立ち去ろうとする候補者に聞いてみた。

わたしは政治に絶望している。肉声を持たない、持つことを許されない候補者に絶望している。

候補者は力なく頷いた。彼の意志がどれだけ政治に反映できるのだろうか?彼自信確信をもっていないかのように見えさえする。

わたしは立ち去ろうとする候補者に向かって叫んだ。「絶対投票には行きますからね」指を候補者に突きつけてわたしは自分のために叫んだ。

彼の肉声はわたしには届かなかった。しかしわたしはそれでも投票に行く。