未来のいつか/hyoshiokの日記

hyoshiokの日々思うことをあれやこれや

系外惑星と太陽系、井田茂著、濫読日記風2019、その5

 系外惑星というのは太陽系以外の恒星の周りに回っている惑星のこと。だから系外惑星。それが昨今の観測技術の向上によってボコボコ見つかっているらしい。
1995年に初めて系外惑星が発見されて以来、系外惑星の発見ラッシュとなっている。
それまでなぜ見つからなかったのか?というのが面白い。人類は太陽系以外の惑星システムを知らないので、天文学者は知らず知らずのうちに太陽系をモデルとした惑星システムを前提としていた。というかそれしか知らないのだからしょうがないよね。1980年代に十分観測技術が発達したのに全然系外惑星が見つからないのは全宇宙で太陽系みたいなものは奇跡なのでほとんど存在しないのではないだろうかという考えが主流になっていたらしい。やっぱり太陽系は神が作ったもので奇跡だとかなんとか(と思っていたかどうかは知らないけれど)
ところが1995年に発見されたものは中心の恒星のすぐ近所を4日で高速周回しているガス惑星だった。太陽系では木星土星は10年〜30年かけて周回する。
太陽系とは似ても似つかない惑星システムだったので発見されなかったらしい。天文学者唖然とするばかりであった(viiページ)。いったんそれが惑星であると認識されると、系外惑星の発見は一気に進んだ。
太陽系しか知らないのでそれをベースに考えるしかないのであるが、その束縛から自由になると、一気に観測が進むというのが面白い。
科学者は常日頃、多様性と普遍性、偶然と必然というようなことを考えていて、そのような訓練を重ねているにも関わらず、固定観念にとらわれていたということである。
パラダイムが変わる瞬間なのかもしれない。面白いなあ。すごいなー。ロマンだ。
系外惑星についてもっと知りたいと思った。

系外惑星と太陽系 (岩波新書)

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乱読日記風 2019