現代社会はどこに向かうか、見田宗介著、読了、乱読日記風2019、その7
東大総長の平成30年度卒業式告辞で見田宗介の名前を知り「まなざしの地獄」とともに読んだ。本書は「脱高度成長期」をむかえた現代社会がどこに向かうのかを正面切ってとりあげている。
指数関数的な経済成長というのがありえないということを我々はすでに知っている。地球の資源は有限だし、人口増加も頭打ちになっている。しかしながら、我々の精神性においてはどこかに経済成長を望んでいるし、暗黙の仮定として、それを前提としている空気もある。
見田宗介はロジスティック曲線とよぶS字型の曲線を例に現代社会の行く末を占う。(8ページ)
1970年代のローマクラブの「成長の限界」を持ち出すまでもなく、成長はどこかに限界がある。それをロジスティック曲線が端的に表している。
「貨幣経済という人間の最大の発明の一つ」(132ページ)で欲望はどこに向かうのだろうか?
「生活のための物質的な条件が確保されれば、それ以上の経済などにはあまり関心を持たない」(127ページ)
というあたりにヒントが有るようなきがした。
なかなか面白かった。
東大総長告辞と合わせて読んだ。
乱読日記風 2019
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