未来のいつか/hyoshiokの日記

hyoshiokの日々思うことをあれやこれや

SIベンダーはなぜOSS導入に消極的なのか?

なんてことを書くとアタリ触りがあるが書く。素人考えでもいくつもの原因を思い付く。
OSSをサポートしてくれる人がいないというのが一番の要因である。
なんでもいいけど定番のOSSがあったとする。SIの現場で顧客に納めるシステムにDBならOracleアプリケーションサーバーならWebLogic、あと適当にいくつかのミドルウェアと独自のパッケージを一まとめにしておいくらと、DBをMySQLにしてJBOSSだなんだかんだ開発ツールはどーしたこーしたでおいくらを比較してみる。OSSでパッケージした方が安いから顧客も喜んでくれるだろう。だからSIベンダーが喜んで顧客に提案しようということにはならないのが世の常である。担当営業はほとんど間違いなく商用の定番ソフトウェアで組んだシステムを提案する。営業からみれば高いものを売った方が売上成績があがるからということもあるけど、それ以上に万が一の時のサポートが購入できるかできないかが一番大きな要因である。
サポートっていったいなんなんだ?
ミッションクリティカルなシステムの場合、システムを停止すると大変な損害が発生する。ダウンタイムを最小化するためにいろいろな方策をあらかじめねっておく。そのためにシステムの価格は高くなるのだが、それを払ってもあまりある価値をシステムが提供するので顧客はその分のお金を払う。SIベンダーは個々の部品を組み合わせてシステムを納入するわけだが、個々の構成要素に責任を持つ分けではなく例えばDBのエンジンの瑕疵については通常そのDBを製造販売している会社がなんらかのサービス責任を負う。まあ商用ソフトウェアの場合、高い金を払えば24時間相談にのってくれるということである。運がよければ問題の回避策を教えてくれるしもっと運がよければバグの修正もしてくれる。通常そのようなサービスのことをサポートサービスと呼ぶ。商用ソフトウェアはそのようなサービスが通常有償で購入可能である。なんかあったときなんとかしてくれる(かもしれない)ということである。
一方でOSSの場合、ふつーはSIベンダーの後ろに誰もいなくて、万が一異常終了なんかしちゃっても、誰もとことん相談にのってくれるわけではない。OSSだろうが商用ソフトウェアだろうが、なんかの時に相談にのってくれる誰かが後ろについていれば採用する事にそれほど躊躇することはないというのが現場の本音であるが実情はOSSの場合そのバックエンドサポートが脆弱なのでSIベンダーの現場はびびってしまってOSSを採用することはほとんどない。OSSを採用するとしたらそーゆーミッションクリティカルなところではなくて部門で使うWebサーバとかプリントサーバーとかファイルサーバとかの類で可愛く使う。てな感じである。(よしおかの予想)
SIの現場では動けばなんでもいい、と言うと語弊があるが、問題が起こった時、よりどーにかなる(いろいろな意味で)方を採用したくなる。OSSは問題が起こった時、誰もどーにもしてくれないのではという漠然とした不安感が採用をためらわせる。であるならば、LinuxベンダーやOSSベンダーが、それを腹をくくって提供するという体制を作れば問題は一挙に解決する。技術的な問題ではなくて会社としての戦略の問題である。つまりサポートサービスにビジネスチャンスがあると考えそのサービスを提供する会社が出るか出ないかという話になる。非常に大雑把に言うとそーゆー話である。
うちがなんとかしますから安心してOSSを採用してください。バックエンドでのサポートはとことんおつき合いします。もちろん正当なサービスチャージはいただきます。そーゆーことである。