未来のいつか/hyoshiokの日記

hyoshiokの日々思うことをあれやこれや

hardmeter

hardmeterというのはSGIが作ったlockmeterというツールから名前をぱくって命名した(なことを日記で公にしていいのか?)。CPUの各種イベント情報を取得するツールなのだがこの2年くらいちゃんとメンテナンスをしていない(すいません)。linux環境ではoprofileという定番のツールがあるのだがそのツールでは採取できない情報をhardmeterは採取できたりするので今でも存在価値はあったりする。id:hyoshiok:20050828で紹介したとおり、あるイベントが発生したときの精密なイベント情報を取得できる。そのため従来のツールでは分析が難しかったcache conflictの原因解析とかが容易にできたりする。
それはともかくhardmeterを作ったおかげでIntelのマニュアルを精読する機会を得たしそれによって学んだ点は少なくない。人生において時にはそのような時間を持つことはある種の僥倖(ぎょうこう)である。だからなんだというわけではないのだけど、日本という地域でひとつのことに何年もかかわるということはほとんど不可能だという事実を前にするにつけ自分は幸せな人生を送っているのかなあと思ったりもする。
今回思ったのはキャッシュに関することを3年前勉強してその勉強したことによってパッチを作ることができたわけで人生なにごとも勉強だなあ。
IT産業は日進月歩だから技術はすぐ陳腐化するなんてことを何年も聞かされてきているのだが最近つくづく思うのは技術の進歩というのはほとんどないのじゃないかと感じたりする。表層的なものは日々変化しているけど本質的なところの変化進歩というのがどれほどあるのか疑問に思う。CPUアーキテクチャの話題なんてものはこの20年間どれほど変化や進歩があったのだろう?RDBMSの実装に関してこの20年間どのような知見が蓄積されたのだろう?そのように考えると実は技術の進歩なんていうのは亀の歩みよりも遥かに鈍いのではないかと思ったりもする。
cache aware patchは以下。
http://marc.theaimsgroup.com/?l=linux-kernel&m=112489315002172&w=2
まあ、余談ついでにいうとcluster systemなんてものがRDBMSでも議論になっているのだけどVAX Clusterが20年以上前に世の中に出てきて、それと同じようなものはまだLinuxには実装されていないしオープンソースRDBMSにもそれを利用したclusterシステムは実装はされていない。商用製品としてOracle RACというのがあるがそれがOracle Parallel Serverとして世にでてからRACとして完成度を高めるまで10数年かかったことを覚えておいてそんはない。オープンソースRDBMSクラスタシステムが性能上実用化するにはまだまだ時間はかかると思うが技術の進歩というのは意外と遅いのである。