未来のいつか/hyoshiokの日記

hyoshiokの日々思うことをあれやこれや

セキュリティ&プログラミングキャンプ

今年もやりたい、セキュリティ&プログラミングキャンプ

昨年度初めて開催したプログラミング部門は、初めてということもあり、準備も十分でない部分も多々あった。とにもかくにも、開催することにたどりつくまでにエネルギーの大変を費やしてしまったというのが正直なところである。昨年は、かってもよくわからなかったので、議論の中で、どこを押すべきかどこを引くべきかということも手探りであった。合宿という長丁場でのペース配分、受講生との距離感、すべてが初めての経験であった。昨年の経験を元にさらにバージョンアップを行いたい。

わたしの個人的な思いとしては、基盤系のプログラミングの楽しさ、素晴らしさをどうにかして伝えたい。さらにいえば、その向こうにある、職業としてのプログラマのイメージを伝えたい。昨年は、特別講義として、はてな執行役員CTO、id:naoya さんに、熱く語ってもらったり、企業見学会では溝口さんにご協力をいただき、ドワンゴに行って戀塚さんらニコニコ動画の中の人にいろいろお話をしてもらった。

なんで、特別講義と企業見学会をするかと言えば、日頃自分の使っているサービスを作っている人がいるという当たり前の事を知ってほしいし、それをリアルに実感して欲しい。現代の魔法使いというのが、どのような人なのか、それを実際に会って、肌で感じて欲しいからだ。そして、野球少年がイチローや松坂に憧れるように、プログラマも憧れの対象になるということを、そのきっかけ作りをしたかったからだ。

未踏ユースとかトップノッチを発掘するプログラムがいろいろあるが、プログラミングキャンプはその前段階で、プログラミングそのものの面白さ楽しさ可能性などを体験してもらい、少しでも多くの若者がソフトウェア産業に魅力を感じ、その道に進むということを期待している。

さて、今年もキャンプをやるつもりなのであるが、先に記したように、基盤系のプログラミングというのをフォーカスしたいと個人的には思っている。上側の派手なものではなく、地味だけど重要な基盤系技術。それは、OSであったり、データベース管理システムであったり、言語処理系であったり、ともかく、システムを構築する上で、共通に必要になるなにがしかである。

職業としての基盤系プログラマ(http://d.hatena.ne.jp/hyoshiok/20090319#p1)で記したとおり、基盤系の技術をがっつり学べば、それを生かす職場が多くはないけれどある。それをWeb2.0系というのか、クラウドというのかは、わからないが、そのような技術を必要としている現場がある。

初学者にどこまで教えるのか、とかいろいろ議論はあると思うが、キャンプで出会いたい若者像を明確にして、その先にある、職業とか、さらには、日本が目指すべき産業構造のなかで、どのような分野に、わたしたちは競争優位性を持ちたいのかというところまで、思いを馳せたい。大袈裟な話かもしれないけど、言ったもん勝ちということで。

オープンソースのおかげで基盤系ソフトウェアの開発の現場が解放された。わたしの野望としては、キャンプを少なくとも10年は続けたい。毎年20人〜25人程度の受講者がいるとして、10年で200人。基盤系を志す人が、その中から何人かでも出てくれれば、儲けものだ。キャンプはきっかけにしか過ぎないけれど、その魅力を感じ、例えば、日記やブログで、その奥深さを発信する核となるプログラマが出てくれば、ポジティブなフィードバックが生じ、持続可能なエコシステムが出来るかもしれない。そのようなブログや、参加者に感化され、参加できなかったけれど、基盤系の魅力を感じる人を増やすことができれば素晴しいと思う。

キャンプを核にしたコミュニティの出現を期待し、それを応援することを考えたい。

id:mkusunokid:shi3zがカリキュラム案を議論している。*1 *2わたしが志向するのは、基盤系技術を志す人材をがっつり発掘し、きっかけを提供する。そして、彼等彼女等が孤独にならないようなコミュニティを形成し、価値観を共有する。大学だけでもなければ、企業だけでもない。コミュニティ志向の学びの場と成長の場、そんなイメージである。

今年は実習中心のスタイルを考えている。でもって、4日間の講義実習案を検討中なので、ご意見、ご要望など、コメントあるいはトラックバックを頂ければ幸いである。クレージーなアイデアを求む。

*1:例えば、未踏人材養成大学院のプログラム - Keep Crazy; shi3zの日記 http://d.hatena.ne.jp/shi3z/20090313/1236918698

*2:カリキュラムも大事だが、夢を持てるようにしたい - 雑種路線で行こう http://d.hatena.ne.jp/mkusunok/20090313/fsc