未来のいつか/hyoshiokの日記

hyoshiokの日々思うことをあれやこれや

世襲ほど素敵な商売はない

日本は全体主義の国ではないから、職業選択の自由はあるし、思想信条の自由ももちろんある。自分の親が仮に政治家だったとしても自分が政治家にならなければいけないということはない。どっかの国の主席の後継者がどうだこうだというのは、国レベルのリーダーを世襲で選ぶという前近代的なわかりやすいシステムに対する日本人の憧れの表現である。親の仕事を継ぐのが正しい親子関係であると心の底では思っているのである。世襲でしょうやっぱしと思っている。

日本にも政治家の世襲という世界に誇るべきシステムはある。日本の総理大臣になるには親が政治家でないといけない。日本の憲法にはそんなことは一切書いていないが、日本人は皆知っている。政治家という要職につく人間はどこの馬の骨かわからないようなものには勤まらない。由緒正しい血筋を持った人間でなければ任せられない。そのために親が政治家でないような人間には総理大臣は勤まらない。総理大臣になるような人間は政治家一家に生まれなければいけない。人間生まれながらのカーストがあるのである。間違って総理大臣になったとしても、スキャンダルによって失脚する。

選挙によって政治家を選ぶという民主主義の根幹は、代々受け継ぐ後援会が票を取りまとめることによってなりたつ。選挙というシステムにはばかみたいに金がかかるので、後援会という集金システムがそれを効率的に代行する。

地盤と呼ばれる縁故のつながりは身内をひいきするために当然必要なシステムだ。よそ者にムラを荒らされないためにもクローズなコミュニティが重要だ。

看板という知名度は、どっかのぽっとでの若造より、オヤジさんの七光りの方が信頼に値するに決まっている。いざとなったらオヤジさんがどうにかしてくれるという安心感につながる。

鞄という選挙資金力。選挙にはとても金がかかるのだから、政治資金管理団体が効率的な資金調達とそれの活用を図ってくれた方がいいに決まっている。素人が政治資金に手を出せば、無駄に複雑な政治資金規制法にひっかかって犯罪者になるだけだ。

日本の政治家の世襲というシステムはとても理にかなったシステムだ。あなたがこのシステムを維持しようと思うのならこれほど効率的なシステムはない。

現状に疑問を持ち、それに異議申し立てをする有能な若者というシステムの秩序を乱す危険人物を効果的に排除する。現状を維持するという正しい目標を正しく執行するための極めて効率的なエンジンである。

日本という人間を不幸にするシステムを維持したい人とそれによって不幸になっている人たちがいたとして、システムを維持したい人にとってこれほど素敵な仕組みはない。

20代、30代の若者は、自分たちがこのシステムによって幸せになっているかどうか考えてみればいい。年金も子育て支援もなんでもいい。このシステムを維持することによって素敵な未来が自分たちに降りかかってきているか想像すればいい。

日本の政治を支える世襲というシステムによって、小泉純一郎の次男は、町内会の長老に引き連れられながら街の祭りで愛想を振りまき、当選する。間違いなく当選する。60代か70代かわからないが、町内会の長老によって当選させられた議員が、20代や30代の切実な問題を解決する事にどれだけのエネルギーを注ぐのか。考えてみた方がいい。

20代や30代の若造。選挙に行け。お前たちの未来の決めるのはお前たちだ。くだらない世襲議員がばっこする魑魅魍魎の世界にガツンと一発食わせるのは、お前たちの一票だ。一票が社会を変えるということにリアリティを持て。

選挙区で、対立候補に握手もできないような、へたれを選ぶ大人たちにガツンと一発かますのは、お前たちの一票だ。

選挙に行け。世襲議員はお前の味方かどうか考えて投票しろ。

小泉純一郎基礎票は12万〜19万なので、対立候補は最低でも10数万票を得なければいけないのだが現実的にはありえない。よって、前回小泉純一郎に投票した一人一人が今回対立候補へ投票しない限り世襲候補が当選する。それがあなたの利益になるか。それを考えるしかない。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%A5%9E%E5%A5%88%E5%B7%9D%E7%9C%8C%E7%AC%AC11%E5%8C%BA