論理哲学論考(岩波文庫)、ウィトゲンシュタイン著、野矢茂樹訳、を読んで考えた、濫読日記風 2018、その7
論理哲学論考 (岩波文庫)を読んだ。
読んでみたがよくわからなかった。
一行で要約すると「七 語りえぬものについては、沈黙せねばならない。(野矢茂樹訳)」となる。七行で要約すると
- 世界は成立していることがらの総体である pp13
- 成立していることがら、すなわち事実とは、諸事態の成立である pp13
- 事実の論理像が
至高思考である pp22 - 思考とは有意味な命題である pp39
- 命題は要素命題の真理関数である(要素命題は自分自身の真理関数である) pp73
- 真理命題の一般形式はこうである
これは命題の一般形式である pp118 - 語りえぬものについては、沈黙せねばならない pp149
となる。
この七行要約が可能なのは、もともとが全ての文に番号が付いていて、一桁の番号の文が7つあるというだけのことである。要約してもよくわからないというのが、よくわかる。
ページ数を見てみると、全体で130ページちょっとの論考のうち、1と同じページに2があり、2が9ページ、3が17ページ、4が34ページ、5が45ページ、6が31ページほどなので4〜6あたりに重要な議論がされていそうである。
コンテンツの理解についてはリテラルに一文一文読解するしかないが、巨視的な理解はこんなもので良さそうだ。
その他、バートランド・ラッセルの解説が30ページほど、訳注が40ページ、訳者解説が20ページ弱ある
ラッセルの解説はのちにウィトゲンシュタインが間違っている(?!)とクレームをつけたそうである。
ざっと読んで、訳者解説を読んでも、さっぱりちんぷんかんぷんだった。
他の訳「論理哲学論考 (光文社古典新訳文庫)」を読んでも、やっぱりよくわからなかった。
解説書の「ウィトゲンシュタイン『論理哲学論考』を読む (ちくま学芸文庫)」を読めば理解が進むのだろうか?こちらは未読なのでよくわからない。
よくわからないというのが、よくわかった「論理哲学論考」だった。