未来のいつか/hyoshiokの日記

hyoshiokの日々思うことをあれやこれや

ITpro Challenge その2

ITpro Challenge その2(http://itpro.nikkeibp.co.jp/ev/challenge/index.html

ニコニコ動画の創りかた」戀塚昭彦(こいづか あきひこ)ドワンゴ
これだよこれ、これを聞くために来たようなものである。鵜飼さんも、伊藤さんもお話は非常に面白かったのだが、いかんせん面識があるのでサプライズ感が(自分にとっては)乏しい。す、すいません、すごくいいお話だったっすけど。
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/Watcher/20070906/281310/

初めて聞くお話。戀塚さんとももちろん初対面。すげーよ、この人。在宅勤務で好きなことやらせてもらっています。そのすごさが醸し出されている。ただものではない風貌。雰囲気。間合い。空気。http://blog.nicovideo.jp/2007/08/post_161.php あたりからのブログに若干垣間見られる。

だいたいニコニコ動画も、カーネル読書会SE-PostgreSQLの発表の動画を配信するとき、海外さんのたっての希望でニコニコ動画にするというまで知らなかった位、ぬるいアンテナのわたしが、この2ch的サービスをどこのどいつが作ったんだという興味で参加させてもらった。

http://info.dwango.co.jp/rd/ に勉強会(4月ころに開催されたらしい)の資料がある。

客を客と思わない高飛車なブログ((c)戀塚)に昔話が載っているが、戀塚さんの視点からの昔話をされた。ニコニコ以前にFlashリバースエンジニアリングやらPHPのチューニングやらをしていて、動画にコメントをつけるサービスをやろうと声をかけられ、「締切はない。ありえない速さで動いていることを期待しているから」と金曜日に言われて、「来週には動いているよね」と念をおされ、確かに週明け水曜日には出来ていたと。

いろいろなアイデアはともかく試して実装してボツにした。プロトタイプを上司に見せたら「これはいける!」と叫んだ。ひろゆきと顔合わせして「ニコニコ動画(仮)」という名前にした。コメントこそがコンテンツである。

作ってみて、楽しいプロジェクトだった。ユーザ・開発者間のモチベーションが高かった。認識が共有できたのがよかった。高速イテレーション、新しいことを決めながら作るのは楽しい。
ずっとニコニコできる場となるといいな。

ニコニコ動画もコードで社会を変えちゃう。まさにハッカー冥利につきるプロジェクトという感じだ。上司の「締切はない。ありえない速さで動いていることを期待しているから」という言葉とその期待に違わない実装力はハッカーたる所以という感じである。

すげー人だ。

IPA 未踏ソフトウェア創造事業成果発表会

http://www.mitou-chiba.org/ 笹田さんのセクションに参加した。まつもとさんが裏番組で講演をやっていたのだが、未踏ソフトウェアを優先した♪その後ITPro Challengeに行ったのは昨日記したとおり。

電源があったので、ノートでメモを取った。

これからのRuby

プロジェクトの背景
  2004年未踏ユース
  2005年度上期未踏

プロジェクトの目的
  2007/末 Ruby 1.9.1
  YARV搭載

プロジェクトの成果
  YARVの完成度向上
    バグ修正
    あいまいだった仕様の決定
    …
    最適化

Ruby 1.9
  VMの導入
  文法の変更
  M17N対応
  組み込みクラス、ライブラリの追加・変更
  その他、「ぎゃっ」と言わせる変更

VM
  バイトコードインタプリタ
  2007/1/1に導入

YARVの完成度向上
  仕様の確定
  テストの追加
  バグ対応

Debbuger/Profiler APIの対応

機能追加
  YARV Assembler
  bytecode serializer
  Ruby to C Compiler
    あまり速くならない

機能追加
  Fiber (Coroutine)の対応
  require 'generator'をFiberで実装

最適化
  末尾呼び出しの最適化
  sendの最適化

性能
  高速化技術
    並列実行はまだまだ

性能(ループ)
  速くなっている

性能(microbenchmark)
  SMPだとあまり速くなっていないか?

成果発表
  日本Ruby会議2007
  論文
  インタビュー
  紹介記事

質疑応答
  Q:遅くなりケースは?
  A:特殊なケースでは遅くなる。

パネルディスカッション

これからのRuby

森(楽天)
  サーバー7000台
  Ruby/Ruby on Rails
  ビジネスで多く使われるようになった
  今後ビジネスでどう使われるようになるのか

パネラー

角谷(永和システムマネジメン)
  200人規模の会社、企業向けのアプリケーション

後藤(ネットワーク応用通信研究所)
  指定がなかったらRubyを使う
  コンサルティングで逆にコードを書く時間がなくなった

小島(CTCテクノソリューションズ)
  仮想化とRubyの拡販
  Rubyの営業
  教育コースを作った、資格認定制度

下道(サン・マイクロシステムズ)
  サンの株コードはJAVA
  JRubyに知り合いの知り合いがメンバーにいた

使い方

角谷:普通に使う。受託開発。javaしか選択肢がなかった。
      適材適所。なんでRubyではだめなの?

後藤:まつもとゆきひろを雇用している。ruby-langをささえている。
      rubyの引合がこの2年くらい増えた。
      それまでは、あんまりなかった。
      Ruby Associationを立ち上げた。
        認定試験など。

森:phpカンファレンスで資格がないという議論があった。

小島:Ruby Assocication。法人格を持っているのが重要。
      法人格を持つことによって解決したい。

下道:JRubyは、オープンソースなので、開発者がたまたまサンの従業員。
      Javaはプラットフォームを提供するという立場になりつつある。

森:40%はphp、残り40%Java、残りはいろいろ。
    20人くらいで標準化している。
    大規模分散、スケーラビリティがテーマになるだろう。

笹田:Rubyのサポート体制はどうでしょう?
      オープンソースのサポートについて。

角谷:今のところは困っていない。人命にかかわるところには使っていない。
      Rubyに対してどうこうってない。自分らで何とかする。

森:フロントにRailsを使おうとしている。非常に詳しい人を社内に作る。
    コミュニティと仲良くなる、がポイントとなる。

後藤:バグは自分で直していた。必要ならやる。1.9はいつになったら安定して
      気分よくつかえるのだろう。

森:人材調達。phpユーザいっぱいいるので困らない。Rubyの層が広がるといいな
    と思う。

小島:強制的に専門学校でRubyをいれる。最初っからしょうがなくRubyを使う。

森:刑務所でRubyを習う。ベトナムRubyブーム。

下道:サポートの問題は大きい。責任転嫁の場所を求める。

森:php手軽。セキュリティに穴。
    Rubyはどうか?

下道:人の書いたコードをメンテできるか?
      サラリーマンプログラマが書くとスパゲッティができる可能性ある。

後藤:プラットフォーム毎の知識が必要になってきている。

小島:Ruby使いは幸せそう。

森:楽しそうになってきた。日本活性化すればいいなあ。

質問:
サーバサイドプログラムでどのくらい使われるのか?

角谷:JavaからRubyへという翻訳。
      Javaはなくなることはない。
      場合による。プログラマの数と質。多数がいるところではあんまりうまく
      いかない。
      少ない人数でどうできるか。

後藤:多人数。強い型はJavaが得意。

スケーラビリティは

笹田:やっていきたいが限界があると思う。

森:分散化スケーラビリティの研究

笹田さんへのメッセージ

下道:がんばりたいとおもいます。

小島:CTCからハードを買えば幸せになるビジネスモデル

後藤:今後ともよろしくお願いします。

角谷:健康に気をつけてください。