未来のいつか/hyoshiokの日記

hyoshiokの日々思うことをあれやこれや

シリコンバレー日記より

同窓会  1998/07/03 http://web.archive.org/web/19991009012647/http://www.best.com/~yoshioka/d/98/i980703.html

Fからメールがあった.秋に同窓会をしようと.サークルの同期の連中と集まって,わいわい騒ごうという.一時を忘れて僕たちが学生だった頃の話に花を咲かせる.きっとそんな会になるだろう.昨年もFの企画で学園祭の時に同窓会をした.残念ながらわたしはシリコンバレーにいたので参加できなかったが,その後その様子をメールで知らせてくれた.Fらしい楽しいメールであった.

あれから20年以上になる.そして僕たちは今年40だ.卒業し,就職し,結婚し,子供を持って,あるものは離婚し,転職し,家業を継いだり,あるいは政治家になったり.それぞれの時間をそれぞれが精一杯歩んだ.それが40歳の顔であろう.

Fが誰から聞きつけたのかシリコンバレー日記を読みたいなどという.冗談じゃないよ.このシリコンバレー日記は私小説みたいなものでとても人様に見せられたものじゃない.勝手に探し出して読むのならいいけど自分からホームページを教えることはしない.などというようなことをメールしてお茶を濁す

20年前僕たちはもちろん若かった.確実に若かった.その若さをもてあましていた.70年代から80年代にかけて日本はある意味順調にいっていた.就職も工学部の学生にはそれほど困難なものではなかった.バブルで日本がうかれる前夜であった.そんな時僕たちは同じ大学に通って同じサークルで時を過ごした.

卒業して10数年たつ.

それぞれの人生をそれぞれが歩んだ.僕たちの接点は同じ時代に同じ学校に通ったというそれだけだ.

僕の学生時代の思い出と君の思い出は異なってみえるに違いない.それは卒業後10数年のフィルターを通してみた学生時代だからだ.思い出は常に美化される.自分の行動は正当化される.

学園祭で昼間から酒を呑んで大騒ぎして,吐くまで呑んで前後不覚になって,それでも許されて,それは単に若かったからだけなのか.

そんな僕がシリコンバレープログラマーをしている.そんなことは学生時代想像もしなかった.たまたま人生を積み重ねてきたらここにいる.それだけの話だ.

春には花見をして,大学野球の応援にいって,合宿と称して単なる宴会旅行をして,そして冬にはスキーにいった.

昔の仲間に会う.それだけでほっとするのは何でだろうか?僕たちの世代はいつのまにかに会社では中間管理職(?)だ.みな会社では難しい顔をしているんだろうなあとか想像するけど,僕みたいにお気楽に部下も持たずにプログラマーをしているやつもいれば子供と仕事の両立にスーパーウーマン的な活躍をしているのもいる.

はやくFにあってみたい.あのころとどういう風に変ったのか.変っていないのか.今でもスキーなんかしているんだろうか?スキーをするFはすげーかっこよかったもんなぁ.就職していろいろあったんだろうなあ.大変なこととか,悔しいこととか,嬉しいこととか楽しいこととか,いろいろあって,それでもみんながんばってきたんだもんなあ.

そうだみんなでカツドンでも食いながらヨタ話をかまそう.20年前の昔の話ではなく,あのころのように20年先の未来を語ろう.僕たちがこれからなにをしたいのか?なにになりたいのか?どう生きてどういう人生をおくるか,その夢をみんなで語ろう.それが僕たちの同窓会だ.僕たちは夢を語るほどまだ若いのだ.

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9年前の日記である。わたしがシリコンバレーにいたころの日記である。変わったこともいっぱいあるが変わらないこともいっぱいある。僕たちはいまだに時々集まって酒を呑んでいる。変わらないことの一つだ。