シリコンバレー日記より
七輪 96/01/09 http://web.archive.org/web/19991004150911/www.best.com/~yoshioka/d/96/01/i960109.html
このところ七輪に活躍してもらうことが多い.
ちょっと,描写してみよう.
うちのアパートには暖炉がある.先日友人が来たとき,七輪で魚でも焼くかという話になったのだけど,さすがに外で焼くのはもう時期的に寒かろう.しかし,部屋で煙もうもう焚いた日には,120%(当社推定)火災報知器がなるであろう.実際,昔住んでいたアパートで,ステーキ焼いていた時の煙で報知器を鳴らした経験を持つわたしとしてはできれば,絶対にそれだけは避けたい.
それで暖炉である!
暖炉に七輪を置けば,換気はばっちり,煙も自然と煙突の方へいくであろう.そのために構造学的な設計も施されているに違いない.というわけで早速実験である.
七輪を暖炉のなかに設置し,着火剤つき炭を数個七輪の中に入れて点火する.着火剤が添加されているのでライターで簡単に火がつく.さて煙の行方はというとばっちり煙突に吸い込まれていく.部屋の方へは全然ながれてこない.完璧だ.
ししゃも,蛤,餅など日本情緒豊かなものから,肉の炭火焼きなどいろいろ試してみた.楽しみ方はいろいろある.
まづ火をおこす楽しみだ.確かに点火そのものは簡単だが,炎がおさまってからちんちん音をたてて燃えている炭を時々団扇で煽ぎながらころあいをみはからう.意外と火力は強い.
次に食材を焼く楽しみだ.魚とか肉をのせると油が落ちていきいよく炎がでるので注意が必要だ.時々,軽く霧をふりたい.
その点,蛤などは変化が少ない.口を開くまで網の上で熱さに耐えてもらう他はない.餅の場合は,少し膨れてきたら醤油を落としてひっくり返したりしながら育てる.皿の上であらかじめ醤油をつけるのもいいが,網にのった餅の上からちょぼちょぼ醤油をたらし,少し炭にかかるくらいだと,醤油のこげる香ばしい匂とじゅっと醤油が炭ではじける音が楽しめる.
焼き上がるまで暖炉を囲んで酒でも呑みながらよた話をする.時々,話に夢中になって,焦がしてしまうこともあるが,気にはしない.熱いうちに食べてしまおう.たかが,餅とか蛤である.フランス料理とかじゃないんだから熱いうちに元気よくパクつきたい.
火のおこし方,食材の調理の仕方,それぞれに性格がでて面白い.
腹がいっぱいになって酒も十分まわった.よた話も楽しんだ.火を囲みながら時間を共有したことを幸せに思う.
なんか説教臭くなったが,ゆっくりした時間を過ごすのはすげー贅沢なのだな.たぶん.
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タマさんのリクエストに答えて西海岸で七輪の記事を発掘してみた。