未来のいつか/hyoshiokの日記

hyoshiokの日々思うことをあれやこれや

日本IBMの売上推移

先日、日本IBMの社長交代のニュースがあって、それを聞いて驚いたのが、社長が日本人ではなくなるということではなく、この10年で売上が半分近くに下がったという業績であった。*1

わたしの世代ではIBMという企業はコンピュータ業界の超エクセレントカンパニーで仰ぎ見る遠い存在、憧れの存在でいわばロックスターである。コンピュータ興亡史でいえば、IBMが先頭にいて、DECがそれを追撃するもかなわず、Sunが80年代華々しくデビューして、90年代一世を風靡する。90年代にはいると時代はMicrosoftIntelが支配していた。90年代前半に巨像IBMは泥沼に足をすくわれもがき苦しむが、ガースナーによって復活する。メインフレーム・ハードウェアを主軸とした事業構造から、ハードウェア、ソフトウェア製品、サービスという3本柱に見事に転換させた。

若い人達には実感がないかもしれないが、GoogleFacebookのような存在感、むしろそれ以上の存在感があったのである。

日本IBMのホームページの資料からわかる範囲で売上推移を調べてみた。

売上は、90年代前半低迷し、1993年には赤字に転落する。その後徐々に回復し、97年に1兆5330億ほどになり、2001年は1兆7075億と過去最大、経常利益は2000年に1820億円となる。

ところがその後、売上は右肩下がり。2011では、約半分の8631億円である。その間IBM本体は順調に売上を伸ばしているので、日本IBMの一人負け状態である。(例えば、1999年の売上は87,548百万ドル、利益は11,757百万ドルから2011年106,916百万ドル、16,318百万ドル)

日本IBMはまったく成長をしていなかったのである。日本経済よりも。

かつての日本IBMは人材の宝庫、先端技術の宝庫であった。日本IBMのOBたちが、外資系IT企業のトップや経営陣になって日本のITを引っ張ってきた。あこがれの企業はどこに行ってしまったのだろうか。

year 従業員(人) 売上(百万円) 国内売上(百万円) 純利益(百万円) 当期利益(百万円) reference notes
1989 23019 1312640 951484 194884 102033 *2
1990 24407 1326517 969816 154384 82822 *3
1991 24855 1272144 903825 103516 56484 *4
1992 25033 1254583 894098 26766 31205 *5 北城、ガスナー体制
1993 23216 1157805 823532 10112 -18428 *6
1994 21792 1200413 877885 74381 10448 *7
1995 20777 1308734 1019712 88187 39443 *8
1996 20369 1425069 1152211 112111 55613 *9
1997 20593 1533069 1227211 127079 68657 *10
1998 21108 1474095 1173581 90101 39054 *11
1999 20924 1477082 1175850 119043 109839 *12 大歳
2000 20905 1643828 1331537 182003 106297 *13 linux
2001 21671 1707535 1460888 172890 106078 *14
2002 28581 1583434 1469113 166593 95077 *15 従業員数は連結対象会社との合計
2003 28231 1497982 1432797 149895 79276 *16
2004 27719 1460921 1401593 151194 84986 *17
2005 1245343 115547 *18 レノボ・ジャパン
2006 1193287 139043
2007 1192611 154048
2008 1132932 154331 96797 *19
2009 954568 112813 73059 橋本社長就任
2010 937773 124272 77316
2011 868134 94026 27274