未来のいつか/hyoshiokの日記

hyoshiokの日々思うことをあれやこれや

インターネットが見えている人たちのカンファレンスに参加した。(新経済サミット2013)

Willam Gibsonの有名な言葉にThe future is already here -- it's just not very evenly distributed. (未来はすでにここにある。ただ均等にないだけだ)というのがある。 http://en.wikipedia.org/wiki/William_Gibson

インターネットの世界で世の中を変えた人たちには当たり前に見えている世界があって、それを普通に追求していると結果としてそれが破壊的なイノベーションになって世界を変えてしまったということなのかもしれない。

今回の新経済サミットは、極論すると三木谷さんのインターネットで成功した古くからの知り合いを一同に集めて、インターネットによる新産業を創出というのは、どんなことなのか、そのイメージを固めるというところにあるのではないか。そのために、インターネットで世の中を変えた人を集めてパネルディスカッションをして、いろいろなヒントを得て、政府への提言としてまとめる。

これだけの人が集まって議論するのだから、その空気を吸うだけでもいろいろな気づきがあったし、東京という地域でこの時間を共有できた僥倖には感謝したい。

すでに、ウェブ系のメディアを中心としてどのような議論がなされたかの報道があるので、それは繰り返さない。むしろ自分の感想を忘れないうちに記しておきたい。

Andy Rubin (Android)

Andyのプレゼンは、2004年11月15日にVC(ベンチャーキャピタル)へのプレゼン資料を見せながら始まった。へー、シリコンバレーのスタートアップってこんなスライドを作るんだ、と変な所で感心したのだが、文字は多いし、インパクトはあんまりない、お世辞にもいけている感じのプレゼンではなかった。(まあ、10年近く前の時代背景を考えればそうなんだけど、自分もそのころはエンタープライズLinuxサーバーで、どーにかビジネスを離陸させたいなどともがいていたのでひとごとの感じはしない)
そのビジネスモデルが、デジカメ用OSがどうだこうだという、今だからこそ言えるのだけど、デッドエンドの提案であった。技術は結構いけていて、JavaVMであれやこれやして、デジカメには顔認識技術や位置情報がついていたりする。これがA案。
そして、2005年4月5日のプレゼン。デジカメがデッドエンドなので、携帯電話へ転換したものとなった。これがB案。
さて、ここでのレッスンは何か。AndyはAgility/Robust Technical Architecture/Flexible Business Strategyをあげていた。
一つのことにこだわらないで、行く末に未来がないと感じたら迅速に方向を変化させる。それがAgilityだ。言うのは簡単だけど、行うことが非常に難しい。それができたら苦労しない。それができたのでAndroidは大成功した。
Robust Technical Architecture。デジカメでのアーキテクチャーとスマフォでのアーキテクチャはほとんど変わっていない。技術的に筋のいいものは長く生き残る。Androidのコアはlinuxjvmだ。それは最初から変化していない。
そして、Flexible Business Strategyだ。Goodleに買収されビジネスモデルを広告モデルにして収益を確保した。そして、スポンサーを得たことで大成功をおさめた。
2005年に想定していた最もよいシェアのグラフを示し、それと2013年でのグラフを見せて、創業者が想像もしていなかったほどの大成功を収めたことを示した。そこには72%のシェアを持つAndoridがあった。

企業は変化しないといけない。人も変化しないといけない。iterateとchange、そのキーワード。繰り返すことによって学び、そして変化をし続ける。それがインターネットでの生き残り成功する原理原則である。そのようなメッセージとして理解した。

Andyのスライドの写真を撮ろうと思ったのだけど電池がなくて撮れなくて残念な感じだった。会社の人から後でもらおうと思う。

Jack Dorsey (twitter/square), Ben Silbermann (Pinterest), Niklas Zennstrom (Skype, kazaar), Andy Rubin (Android), Hiroshi Mikitani (Rakuten) によるパネルディスカッション

それぞれの人のプレゼンがすごすぎた。フリーダムな人たちだから時間も大幅にオーバーして、パネルの時間がなくなるかと思ったら、休憩時間を華麗につぶしてパネルをやった。

破壊的なイノベーションという言葉はそうじて評判が悪くて、人々が求めるものを実直に作って行ったら結果として世の中を変えたという立場からJackやAndyはコメントしていた。

日本にはi-modeという素晴らしいテクノロジーがあって、エコシステムやプラットフォームの重要性を人々はよく理解していた。Androidも日本ではすごい成功しているのも、そのようなバックグラウンドがあったこととは無縁ではない。

日本の人々はよく日本は特殊だというけど、そんなことは全然ない。米国の東海岸シリコンバレーに比べればとっても保守的だ。

失敗を恐れない。外国から学ぶ。人々を励ます。

未来は既にここにある。ただ均等にないだけだ。

感想。

インターネットビジネスのロックスターがセッションをやるのだから面白くないわけがない、口をあんぐりして聞いているしかない。必死にメモをとっても、その思いの1%も記録できない。そんなセッションであった。

彼らが数年前にみた未来がいまここにある。いま当たり前なっているものを作ったかれらの目にはいま何が映っているのだろうか。

Webでの不完全なまとめ

Twitter, Pinterest, Skype founders advise Japan entrepreneurs
http://www.pcworld.com/article/2034724/twitter-pinterest-skype-founders-advise-japan-entrepreneurs.html

新経済サミット2013:シリコンバレーのエコシステムを日本に作るには何が必要か
http://tech.news.infoseek.co.jp/article/techcrunch_new-econ9dd1ba64deccf7cb0725eff9f216aac2bb2098f0

新経済サミット2013:起業家に告ぐ「失敗を恐れるな、実行せよ」
http://jp.techcrunch.com/2013/04/16/new-economy-summit-2013-1/

新経済サミット2013:シリコンバレーのエコシステムを日本に作るには何が必要か
http://jp.techcrunch.com/2013/04/16/new-economy-summit-2013-2/

LINE、グリー、GMOのトップが激論――日本でイノベーションを起こすには?
http://internet.watch.impress.co.jp/docs/event/20130417_596169.html

「失敗なんて恐れるな」 Android OS生みの親やTwitter創業者が日本経済に叱咤
http://internet.watch.impress.co.jp/docs/event/20130416_596108.html

「新経済サミット2013」―Google上級副社長、Twitter創業者らが登壇
http://ascii.jp/elem/000/000/780/780465/

AndroidTwitter創設者らが語る!新経済サミット2013開幕
http://weekly.ascii.jp/elem/000/000/138/138816/

「日本からも破壊的イノベーションを」、新経済サミットで伊藤穣一Media Lab所長らが提言
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20130416/471302/?top_tl1

新経済サミット開催 AndroidTwitterなどの生みの親たちが語る「破壊的イノベーション
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20130416/471262/

まつもとゆきひろ氏の「新経済サミット2013」語録
http://www.atmarkit.co.jp/ait/articles/1304/16/news133.html

Androidの父、Twitter創業者らが語る起業のヒント:新経済サミット2013
http://weekly.ascii.jp/elem/000/000/138/138936/

日本から破壊的なイノベーションをどう起こす--Android開発者やTwitter創業者が語る
http://japan.cnet.com/news/service/35030875/

Moms, Modesty Also Holding Back Japan’s Software Engineers
http://blogs.wsj.com/japanrealtime/2013/04/17/moms-modesty-also-holding-back-japans-software-engineers/

https://twitter.com/shinkeiren
https://twitter.com/shinkeiren_en

新経済サミット2013
http://jane.or.jp/event/summit2013/