高橋信頼さんの逝去を悼む
日経BP社、ITPro副編集長、高橋信頼さんが2013年12月26日に逝去された。
彼は日経BP社の記者としてOSS(オープンソースソフトウェア)、地域コミュニティ、ITによる東北復興支援などを精力的に取材し記事にしてきた。プライベートでは、よき父として、よき夫として過ごされた。
http://itpro.nikkeibp.co.jp/search/index.html?q=%E9%AB%98%E6%A9%8B%E4%BF%A1%E9%A0%BC
早くからオープンソースやLinuxに注目し、取材を続けられていた。日経ITProのサイトには4100件を超える記事がアップされている。2000年頃から記事があるので、年間300本近くの記事を投稿されていることになる。驚異的な量だ。
第100回カーネル読書会
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20091023/339312/
わたしも前職時代、何度も取材を受けた。OSSのことだけではなく、カーネル読書会も記事にしていただくことが多かった。思い出深いものの一つはLinusが参加した第100回カーネル読書会の記事である。読書会の翌日には記事にしていただいた。オープンソースや勉強会の価値について深い理解をしめしていて、記事は暖かい励ましがある。
(写真は上記の記事より)
多くの職業記者がベンダー発表会やお膳立てされたインタビューを記事にするのに対し、高橋さんは市井の勉強会やコミュニティに顔を出し、そのコミュニティが創り出す価値を発掘されていった。いろいろな勉強会でお目にかかることが多かった。大変な勉強家であった。
日本において、最もオープンソースやコミュニティ、勉強会などに対して理解のある記者だった。そして対象にたいする深い興味が記事にも現れている。暖かい人柄があふれる記事は読む人を励ます力に満ちていた。
高橋さんが亡き今、誰がオープンソースやコミュニティの価値を取材してくれるのだろうか、かけがえのない人を亡くした。
オープンソースやコミュニティにいるわれわれは彼がいないいまこそ自らその価値を発信し続ける必要に迫られている。
安らかにお眠りください。