OSS利用の成熟度
OSS利用を下記の段階で考える
- 発見(find)
- 利用(use)
- 参加(participate)
- 革新(innovate)
発見(find)
OSSを発見し、試しに利用してみる。本格的な導入というよりも試し使い。この段階で問題が発生すると本格的な導入に至らない場合がある。
ライセンスフィーがかからないので、無料で利用できるため、ちょっと試してみるという段階である。ただし、インストールなどが難しい場合は、利用に至らないで挫折する場合もある。
利用(use)
試し使いをしてみて、意外と便利なことがわかると、本格的に利用してみるということになる。
ユーザが多いとインターネットには情報があふれているので、それをもとにより高度な使い方をし始める。ちょっとしたトラブルはインターネットで検索するとどうにか解決できる。
参加(participate)
本格的に利用をはじめしばらくするといろいろな問題にぶつかる。メーリングリストなどで質問しても解決しない場合がある。どうも最初に地雷を踏んだようだ。
いろいろ試してみる。ワークアラウンド(回避策)を試してみたりする。時には、パッチを書いて問題を解決する。
コミュニティでの存在感も徐々に出てくる。ドキュメントを書いたり、ブログにトラブルシューティングの顛末を記したりする。ユーザコミュニティで発表をすることもある。
革新(innovate)
自社のサービスに当該 OSSを組込みそれを競争力の源泉とする。オープンイノベーションを実践するエンジンとしてOSSを戦略的に活用する。
コミュニティでの影響力も徐々に出て来て、OSSの方向性についてもイニシアチブを取る。
自社ビジネスの競争優位性を高めるためにOSSエコシステムを活用しコミュニティとコラボレーションすることがビジネス戦略に組み込まれている。
成熟度モデル
組織としてOSSをどのように活用しているか。企業の競争力向上にどのように役立てているか。その物差しとして提案してみた。
OSSは無料なので取りあえず使ってみたというフェーズ(発見)から、導入にはそこそこ手間暇・コストがかかるということを発見し、それでも、メリットがあるので本格的に導入(利用)し、利用を続けていると、意図をしたわけじゃなくても問題を解決しフィードバックを行ったり(参加)する。最終的には、OSSの特徴を生かし、組織の競争優位性を確保するために活用する(革新)。
OSSそのものをビジネスとしているベンダー企業側の観点ではなく、ユーザ企業視点でまとめてみた。
読者のみなさまのコメント、意見などを伺いたい。