グリード、真山仁著。読了。
グリード(真山仁)を読んだ。ハゲタカの鷲津がリーマンショック直前の米国で、腐った米国の強欲資本主義を買いたたく。
昔(2007年)、NHKで「ハゲタカ」という神ドラマをやっていた。その原作が真山仁著「ハゲタカ」である。原作とドラマは全くことなるのだけど、バブル崩壊後の米国系ハゲタカファンドという設定が同時代的で夢中になって観たことを思い出す。*1
NHKドラマの鷲津の言葉が印象的だった。
ハゲタカの鷲津が言った 「たしかに、世の中の99.9%はカネで決まる、カネでほとんどのことが解決する。 だけど、残りの0.1%、こればっかりはそうもいかない。 私はこの仕事を通じてそのことを学びました。 部品一個です、大きな機械の中の、たった一個の部品、 だけど、そこに、大木昇三郎が宿っているように、 部品一個で、一生忘れるこのが出来ない思い出ができることのように」
「若い頃に師と仰いでいた人から、強欲は善だ(greed is good)、強欲こそがアメリカンドリームの原動力だと教わりました」と鷲津は言う。その鷲津がアメリカの政府をも動かす大物投資家、サミュエル・ストラスバーグと闘う。
主な舞台はニューヨーク、ワシントンDC。深謀遠慮が渦巻く投資ファンドの世界。時代は強欲な資本主義が崩壊するリーマンショック前夜。
ニューヨーク支局に飛ばされた新聞記者北村が鷲津の周辺をおう。経営破綻寸前の投資銀行ゴールドバーグ・コールズのジャッキー・フォックスという若手がいい味を出している。
北村の英語が少しずつ上達していくという設定もいい。北村と鷲津が英語でバトルするような場面があったらもっとよかったような気がする。
面白かった。お勧めである。