未来のいつか/hyoshiokの日記

hyoshiokの日々思うことをあれやこれや

そして、星の輝く夜が来る 真山仁著、読了。

そして、星の輝く夜がくるを読んだ。

真山仁と言えば「ハゲタカ」。

そして、星の輝く夜がくるは、2011年、震災で甚大な被害を受けた東北の小学校に神戸市から派遣された40歳すぎの教師、小野寺を軸とした連作になっている。

様々な問題を抱える、子供、親、教師、地元の人、ボランティア、それぞれのおりなす人間模様が面白い。

「ハゲタカ」で描いた強欲な人々ではなく、市井の人たちの姿が等身大で描かれている。ひたむきな小野寺のキャラクターがいい感じだ。

「小さな親切、大きな…」は、災害ボランティが起こしたトラブルと、なんでも厳密に管理することをよしとするボランティア代表の相原さつきと地元のあんちゃん、小野寺らが夏祭りの件で一悶着するお話だ。

津波で担任の子供を失った教師や、家族を失った人々が、それぞれの問題を抱えながら生きていく。

みんなそれぞれ一生懸命に生きているのが素敵だ。

小野寺はいろいろ物議をかもしながらもクラスにとけ込んでいく姿がいい。なんでもお見通しの校長、官僚的で杓子定規な教頭。けんかっ早い、漁師の松井などなど個性的なキャラクターがいる。

ちょっと元気を貰う一冊である。