読書リスト、2013年下期
昨年は本を読んでも特に日記に記すということは、あんまりやっていなかった。「はてな エンジニアブロガー祭りに参加した。 - 未来のいつか/hyoshiokの日記」以来、毎日日記を書いているので、今年は読んだ本の感想を記すことも多くなった。
なので、それ以前の読書日記があまりない。図書館で予約した本は、メールでお知らせがくるので記録に残っている。そのメールを過去にさかのぼってみると、借りた覚えがあるんだけど、内容に記憶がないものとか結構あって、未読で返却したり、読んだんだけど印象が薄かったりといろいろある。そのなかでまだ印象に残っている本を紹介する。順番は、読んだ逆順。一押しは読んで損はないと思う本。夏休みの読書リストとしてご利用ください。
- 昨夜のカレー、明日のパン。「悲しいのに、幸せな気持ちにもなれるのだ―。七年前、二十五才という若さであっけなく亡くなってしまった一樹。結婚からたった二年で遺されてしまった嫁テツコと、一緒に暮らし続ける一樹の父・ギフは、まわりの人々とともにゆるゆると彼の死を受け入れていく。」連作。ちょっと切なく、ほのぼのした小品。
- 世界から猫が消えたなら。何かを消すと余命が一日のびる主人公。最後に消すものはなにか。2013年本屋大賞ノミネート作品。
- 電気ちゃん。「超ダメ男「電気ちゃん」に拾われた16歳の家出少女・鳥子(とりこ)。」電気ちゃんにまつわる様々な人たちの人間模様がいい。
- 命がけで南極に住んでみた。南極に長期滞在した人のドキュメンタリー。これはすごいなあ。
- マンションは10年で買い替えなさい 人口減少時代の新・住宅すごろく (朝日新書)。これは納得感のある議論だった。
- スタンフォードの自分を変える教室。たまにはベストセラーも読んでみようと思った。可もなく不可もなく。
- ホリイのずんずん調査 かつて誰も調べなかった100の謎。これは一押しだ。タモリ倶楽部的な世界が広がる。
- 何者。「桐島、部活やめるってよ」の朝井リョウの作品。就活生は大変だな。
- 機械との競争。テクノロジーの負の側面についての議論。
- ハロルド・フライの思いもよらない巡礼の旅。「定年退職した65歳の男が、20年前に同僚だった女性のお見舞いをしたくて、ただただありがとうを伝えたくて、1000キロの道を歩き始める。」ロードムービーだ。これは一押しである。
- 教場。警察学校を舞台としたミステリー。いけている。
- 大栗先生の超弦理論入門 (ブルーバックス)。超弦理論というものが、何が何だかよく分からないけどなんとなくわかったような気にさせてくれる。さすがブルーバックス。
- 楽園のカンヴァス (新潮文庫)。「ニューヨーク近代美術館のキュレーター、ティム・ブラウンはある日スイスの大邸宅に招かれる。そこで見たのは巨匠ルソーの名作「夢」に酷似した絵。持ち主は正しく真贋判定した者にこの絵を譲ると告げ、手がかりとなる謎の古書を読ませる。リミットは7日間。ライバルは日本人研究者・早川織絵。ルソーとピカソ、二人の天才がカンヴァスに籠めた想いとは――。山本周五郎賞受賞作。」なかなか読ませる。
- 病の皇帝「がん」に挑む ― 人類4000年の苦闘 上、病の皇帝「がん」に挑む ― 人類4000年の苦闘 下。これはすごい。「がん」の歴史、現在の最先端医療についてのノンフィクション。一押し。
- インテルの製品開発を支えるSFプロトタイピング (プロフェッショナル&イノベーション)。SFプロトタイピングという手法を知った。
- 世界を変えた17の方程式。熱力学の第二法則ってなんだったっけ?
- 機械男。職場の事故で片足を失う。そして義足をつけて気がつく。この義足は完璧だ。そして、肉体を機械化していく主人公。これはヤバい。痛い小説である。
- 55歳からのハローライフ (幻冬舎文庫)。村上龍の作品。読んで怖い。あー、55歳、自分の人生をどう作っていくか。ヒトゴトではないよな。
- きみはいい子 (一般書)。「ある雨の日の夕方、ある同じ町を舞台に、誰かのたったひとことや、ほんの少しの思いやりが生むかもしれない光を描き出した連作短篇集。第一回静岡書店大賞 小説部門 受賞。キノベス! 2013 第2位。第二十八回 坪田譲治文学賞 受賞」
以上が2013年後半に図書館で借りて印象に残った本のリストである。
現代小説の場合、たまたまの出会いだと思う。古典と違い時間による評価を受けていない分、自分にとっての当たり外れがある。上記のリストの中から面白そうなやつを適当に選んで読んでみて欲しい。合うもの合わないものいろいろあると思うけど、その感想を聞かせてほしい。本にまつわる雑談とかできると楽しいと思う。
一押しの中での一押しをあえて選んでみると、やはり病の皇帝「がん」に挑む ― 人類4000年の苦闘 上、病の皇帝「がん」に挑む ― 人類4000年の苦闘 下だ。上下二巻で長いが、その長さを感じさせない力作だ。未読だったら一読をお勧めする。読め。