オープンソースソフトウェア
オープンソースソフトウェアについてはぼちぼち書いて行きたいのだが、先日のLinux Seminarの最終回で、市川さんが「なんでハッカーはフリーソフトウェアを書くのか?」という疑問を呈されていて、95年頃にLinux Users Mailing Listで聞いた答が「そんなの決まっているじゃん、楽しいからだよ」だそうだ。
いまだに疑問は尽きない。というようなお話である。
古典的なあるいは牧歌的な時代の回答としてはそれはそれで正しいと思うのだけど、時代はくだって、フリーソフトウェアによってビジネスをしようという昨今(それをオープンソースソフトウェアと呼んでも好いかと思う)では、市川さん的解釈はちょっとナイーブすぎるんではないかと思ったりして。
いくつかの事例を言うと、GPLのようにソースコードを公開して自由に利用させたら商売にならないのではないか?と言うことに対する反例は山のようにある。
Linuxカーネルの開発者を調べるためにソースコードを検索しメールアドレスをざっとみると、IBMとかHPとかぞろぞろ出てくる。最新のLinuxカーネルは、夜中にハッカーが楽しいからいろいろパッチを作っていると言うスタイルではなくて、IBMのプログラマがお仕事として給料をもらいながらパッチを作っている、とか言うスタイルで開発されているのが大半なのである。
昨年Ottawa Linux Symposium http://www.linuxsymposium.org/2003/ というのに行ってきたのだが、発表者の所属で一番多かったのがIBMである。カーネルハッカーは企業に雇用されていてハックで飯をくっているのである。
霞をくいながらハックしているのはすくなくともLinux Kernel開発コミュニティのなかでは小数のような気がしている。もちろん例外はいろいろあるけどね。
ひるがえって日本である。(うーん、このフレーズよく出てくるなあ)
仕事でオープンソースをばりばりやっている人はまだまだ小数のような気がしている。昨年のLinux ConferenceでRubyのまつもとさんが「オープンソースの開発で飯を食っている人は」とか質問していて300人入る会場で手を上げたのはほんのぱらぱら(10人未満かな?)、うーん、寒いぞ、と言う感じだった。
ビジネスになることによって技術革新が促進し、価値の創造が持続可能な形で拡大再生産される。日本のポジションは非常に微妙なところである。
がんがれ日本(ちゃちゃちゃ)