未来のいつか/hyoshiokの日記

hyoshiokの日々思うことをあれやこれや

ITPro Challenge

とっても楽しみにしていたITPro Challengeに参加できた。実は別件の会議と予定がコンフリクトしていたので参加できないかと気を揉んだのだが、それが延期になったので、ラッキーなことに参加できてしまった。

実はIPA未踏ソフトウェア創造事業の成果発表会も別件がキャンセルされたことによって参加できてうれしさ2倍である。Rubyの笹田さんのお話を聞きそのまま南北線に乗ってハッカーのお話を聞く。ハッカーのお話三昧である。Rubyの笹田さんの裏番組がまつもとさんの講演というのも何かの縁であるが、まつもとさんは飛行機が欠航してキャンセルになるのではないかと勝手に思っていたのだが前日から東京入りで無事だったそうだ。閑話休題

笹田さんのセッションを聞いてから移動したので、江島さんのお話は聞けなかった。(ごめんなさい)。最後のスライドを映しながらのQ&A。あああ、面白そうなお話で聞けなくて残念。ニコニコ動画にアップされるのを楽しみにしたい。(ニコニコ)

鵜飼さんの「ハッカーのソフトウェアエンジニアリング」というのはタイトルからしてツッコミたいところであるが、まあ、いいか。いや、よくない。ソフトウェアエンジニアリングという管理とか権威を連想させるものとハッカーは水と油だろうと思わなくもない。(笑)

Googleでの体験を織り交ぜながらのお話は面白かった。Q&AでGoogleに入って自分自身の変化は何かということを質問したのだが、例えば昔はコードレビューをそれほど重要視していなかったのだけど、Googleに入ってコードレビューの重要性を再認識したというようなエピソードを期待しての質問であったが、抽象的すぎたのか、答えに窮していたように見えた。そんな難しい話ではなく自分の経験を赤裸々に語ってくれればと思った。ただしヒントとして前職は研究職でコードを書くことが目的ではなかったというコメントを得たのは収穫だと思う。また、面接試験でコードを書いてもらうという有名なエピソードは日本のソフトウェア産業に対する挑戦みたいなものだと感じた。日本ではコードを書くチカラを重要視しないが、むしろ軽視するが、コードが書けなくてどうやって世界を変えるのだとわたしは思うのである。コードを書くチカラを重要視するのは当然なのであるが、それに対する無理解は日本の企業の構造的欠陥と言ってもいいけど、まあ、それはそれ。閑話休題

最後の方で、「知識の取得の仕方」というメタなトピックスがあって、その一つとしてハッカーにコードを見てもらうというのがあった。そうそう、それなのよ。達人にコードレビュをしてもらうの死ぬほど重要。企業であれば同僚や先輩なのだけど、そーゆー職場にいない人も悲観することはない。オープンソースの世界ではトップノッチのハッカーがよってたかってあなたのコードをレビューして突っ込んでくれるのである。素晴らしいではないか。その機会を使わないことはないと思った次第である。

伊藤さんの「ベンチャー指向プログラマ」というのは伊藤さんの事だ。彼がどのようにしてプロフェッショナルになっていったかというお話。こーゆー個人にしか語れない物語というのをライブで聴ける幸せ。どっかの教科書とか参考書に載っていそうなお話ではなくオリジナルの話を聞ける幸せである。彼にしか語れないあるいは彼が学んだ経験を少しでも吸収したいと思いながら前傾姿勢で聞いた。1977年生まれは物心ついたころからパソコンがあってゲームがあってインターネットがあるんだよなあ〜。うらやましいと思うかと言うとそんなことはないのだがそれはそれで素敵な環境だったような気がする。

技術は本から学べるなんてことを言われるとどっきりするのだが、ベーマガのリストを意味も分からず写経していた経験は確かにある種の悟りをひらかせるものがあるのかもしれない。

コンプレックスをばねに一歩一歩なんていうお話はやはり迫力がある。

「コードを書ければ世界を変えられる」というメッセージはまさにハッカー倫理そのもので、21世紀の東京にいる奇跡を感じさせるメッセージである。

ここに居合わせた70名、ここに参加したくとも参加できなかった何百人、何千人の人々が共有する思想が東京にあるというのがなによりウレシイ。

そう考えると東京というか日本の未来は明るい。思わずありがとうと言ってしまった。

追記:ITpro Challenge!ブログ(http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/Watcher/20070906/281310/)へトラックバックしました。