未来のいつか/hyoshiokの日記

hyoshiokの日々思うことをあれやこれや

意外と会社は合理的、読了

意外と会社は合理的 組織にはびこる理不尽のメカニズムを読んだ。
組織に焦点をあてた本で、様々な組織を例に、そのメカニズムを解説している。登場する組織には、営利企業もあれば、非営利組織もあれば、宗教団体、警察、軍隊、テロリスト、正義のヒーローなどなど。あ、正義のヒーローは組織じゃないけど、それが戦う悪者は統率のとれた組織だ。

経営学の研究成果をもとに、これでもかといろいろな事例を出してくる。

プリンシパルとエージェント問題というのは、どうやって従業員に期待した仕事をやらせるかという問題である。どのようにインセンティブを設計してそれを運用して行くか。経営者は、従業一人一人が期待通り働いているかいちいち監視することはできない。さぼらないように監視したり、ずるをしないように監視することを完璧に行うにはコストがかかりすぎる。そこで中間管理職をもうけたり、様々なルールをもうけたりする。

これは営利企業だけではなく、宗教団体も同様な問題を持っている。信者を増やすにはどのような方法があるのか。

あるいは警察はどうか。軍隊はどうなのか。テロリストと戦うための組織はどうあるべきなのか。

軍隊は絶対服従のルールがある一方で、テロリストと戦うためには、イノベーションを必要としている。そのバランスはどこにあるのか。

正解はないのだけど、そのバランスについて考えるきっかけになる一冊だった。