未来のいつか/hyoshiokの日記

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GE 巨人の復活 シリコンバレー式「デジタル製造業」への挑戦、中田敦著、濫読日記風、その32

GE 巨人の復活 シリコンバレー式「デジタル製造業」への挑戦を読んだ。

日経BPシリコンバレー支局長の中田敦さんの渾身の一冊だ。ウェルチ時代のM&Aを成長路線に据えたコングロマリット経営からデジタル製造業への転換について現地取材をもとに書かれている。

日本ではレガシーな重厚長大企業というイメージのGEがどのように変革していったか。54ページに、リーンスタートアップで有名なエリック・リースから教えを請うエピソードが紹介されている。2012年夏のことだ。「圧倒的なスピードで製品を改善させていくシリコンバレーのスタートアップと競合するようなことがあったら、巨大化してスピードに劣る当時のGEでは、到底太刀打ちできないことに気づかされた」

GEがどのようにシリコンバレー流を学んでいったか。アジャイル開発の手法などはピボタルの開発者とペアを組んで学んだ。シリコンバレーディシプリンを身につけ、それを忠実に実践している(125ページ)

過去の経験則が通用しない世界なのでリーンスタートアップを実践することでしか未来はない(205ページ)

人事制度も、「人事評価」から「従業員の能力開発」へとシフトした(206ページ)

GEという重厚長大なレガシー企業がどのようにしてシリコンバレー流を身につけたか。それを開設した良著だ。戦略転換に苦しんでいる日本の大手メーカに勤めている人にも参考になるのではないだろうか。

リーンスタートアップといえばEric Ries の近著には、本人がGEの重役会に呼ばれるエピソードから始まる。The Startup Way: How Modern Companies Use Entrepreneurial Management to Transform Culture andDrive Long-Term Growthこちらも読んでみたい。


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