正しい本の読み方、橋爪大三郎著、濫読日記風、その37
正しい本の読み方 (講談社現代新書)を読んだ。
読書好きのための読書本だ。
内容は、
- <基礎篇> 第一章 なぜ本を読むのか、第二章 どんな本を選べばよいのか、第三章 どのように本を読めばよいのか
- <応用篇> 第四章 本から何を学べばよいのか、【特別付録】必ず読むべき「大著者一〇〇人」リスト、第五章 どのように覚えればよいのか、第六章 本はなんの役に立つか
- <実践篇> 第七章 どのようにものごとを考えればよいのか、終章 情報が溢れる現代で、学ぶとはどういうことか
どんな本を、どう選んで、どう読むか。そんなことを指南してくれている。
本好きは、本の選び方がすごい。嗅覚がある。その嗅覚を身に付けたいと思うが、言語化されていない、暗黙知のようなものがある。次善の策としては、嗅覚が優れている人の読んでいる本を真似する。達人のお勧めをとりあえず読んでみる。自分の嗅覚を研ぎ澄ますには、ともかく数を打って、スカの本を読んで、学んでいくほかはないと思う。面白そうな本を片っ端から手にとってみる。すごい本もあるが、ダメなものもある。ダメなものを選ぶことによって、逆説的ではあるが、いいものを選ぶスキルを身につけることができる。ダメなものの方が多くてもそれはしょうがない。
本はネットワークを作っている。(42ページ)
教科書を読めという。教科書には当たり前のことだけが書いてある。ということはある分野の定番の教科書を発見できればいいと思い至るのだが、それはどうやって発見するのだろうか。それはともかく、本は間違っているかもしれない。そのような前提で本を読む必要がある。
教科書を読んだら古典を読む。(49ページ)
読むべき本のヒントは入門書に出てきた、重要そうな本を買って読む。
本について話し合う、良い友人に教えてもらう。友人の情報はネットの情報よりも信頼性が高いはず。
そして読書会。
ベストセラーには、そんなにいい本はない。スルーしても実害がない。ベストセラーだから買うのは最悪。ベストセラーを買うのは最悪ではない。この差が重要。
読み方。書いてあることを読む。これは初歩。書いてないことを読むのが、ちょっと上級。(73ページ)本を読むときに、著者の(暗黙の)前提を発見する。
第四章で「理科系の作文技術」を紹介している。本から何を学べばいいかの章で「理科系の作文技術」である。嬉しくなる。トピックセンテンスなのである。それを発見しながら読んでいく。作文と読解は表裏一体だ。
そして、構造、意図、背景などを読み解く。事例として「資本論」を読んでいる。レヴィ・ストロースも事例として読み解いている。どちらも未読だが、そのうち読んでみたいと思った。読みこなせる気が全然しないけど。
読むべき大著者一〇〇人リストというのが特別付録で付いている(156ページ)ほとんどが未読なので、幾つか読んでみたいと思った。
本の役立て方など具体的な方法論が載っていて参考になった。
濫読日記風
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