短篇小説講義、筒井康隆著、濫読日記風 2018、その9
短篇小説講義 (岩波新書)を読んだ。
読書の幅を広げるタイプの読書本だ。紹介されている本を手にとって読みたくなる。筒井康隆が紹介しているので面白さはピカイチでどれも読みたくなる。
紹介されている作家は、ディケンズ、ホフマン、アンブロウズ・ビアス、ゴーリキー、トオマス・マン、サマセット・モーム、ローソン。どれもこれも、その作家の短篇集を読んだことがない。
筒井は本書を執筆するために、岩波文庫の短篇集を200冊以上読み、その中で本書で紹介する6篇がいちばん面白かったと言っている(158ページ)
職業作家というのは、本を読んで読んで読みまくるのが好きでないと務まらないということがよくわかるエピソードだ。
「飽き飽きするほど読むという意味でも、現代で再評価できる作品を見つけるという意味でも、ぼくが短篇小説の古典をたくさん読んだことは良いことだったのだ。」(158ページ)
「伝統を知るということはそこから抜け出して新たな可能性を探ることができるかという可能性をわれわれにあたえてくれるもの、だからこそ学ばなければならないものではないだろうか。」(同ページ)
紹介されている本をいくつか読んでみることにした。
追記。紹介されていた短篇集
- ディケンズ短篇集 (岩波文庫 赤 228-7) ジョージシルヴァーマンの釈明
- ホフマン短篇集 (岩波文庫) 隅の窓
- ビアス短篇集 (岩波文庫) アウル・クリーク橋の一事件
- バック・ファンショーの葬式 (岩波文庫 赤 311-7) 頭突き羊の物語
- ゴーリキー短篇集 (岩波文庫 赤 627-1) 二十六人の男と一人の少女
- トオマス・マン短篇集 (岩波文庫 赤 433-4) 幻滅
- 雨・赤毛 (新潮文庫―モーム短篇集)
- 雨・赤毛―他一篇 (1962年) (岩波文庫) 岩波文庫は品切れ
- 退屈な話・六号病室 (1963年) (岩波文庫) 品切れ
- ローソン短篇集 (岩波文庫) 爆弾犬、品切れ
濫読日記風 2018
- 未来の年表 人口減少日本でこれから起きること、河合雅司著、濫読日記風 2018、その8 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- 論理哲学論考(岩波文庫)、ウィトゲンシュタイン著、野矢茂樹訳、を読んで考えた、濫読日記風 2018、その7 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- 自由と規律、池田潔著、濫読日記風 2018、その6 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- 古典力、齋藤孝著、濫読日記風 2018、その5 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- 老人と海、ヘミングウェイ著、福田恆存訳、濫読日記風 2018、その4 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- 読んじゃいなよ!、高橋源一郎編、濫読日記風 2018、その3 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- つながる読書術、日垣隆著、濫読日記風 2018、その2 - 未来のいつか/hyoshiokの日記
- 六本木戦記、久富木隆一著、濫読日記風 2018、その1 - 未来のいつか/hyoshiokの日記