スーパーハッカー列伝 Legend of the Engineer 第1回 吉岡 弘隆 氏 | ミラクル・リナックス株式会社 所属
昨年の10月に受けたインタビューが公開されることになった。約二時間語りたいことを語った。なんか、新橋の飲み屋で語っているような口調になってしまったが、本人いたって真面目だし、アルコールを飲まずしてなかなか面白いことを言っている。スーパーハッカー列伝 Legend of the Engineer 第1回 吉岡 弘隆 氏
仕事で何を経験したか、何を学んだか、そーゆー体験からわたしは今何を考えているのかというお話になっている。
会社に依存する人じゃなくて、技術に真面目に向き合う人をどれだけ発見してそれを社会として担保していくのかということなんです。その人たちがどう流通し、学ぶ場所をどう提供していくのかということなんですね。そういう社会の方が、会社にずっと依存している社会よりも一人ひとりにとっては幸せに近いだろうなんていうことを10年前にシリコンバレーという場所でなんとなく見聞きしましたね。
最近熱にうなされている「勉強会」についてもちょっと語っている。
でもって、タイトルのスーパーハッカー列伝であるが、スーパーって何、ハッカーって何、相当恥ずかしいタイトルな感じがする。自分にとってハッカーというのは、コンピュータによって世界を変えちゃった人だから、LinusとかRMSとかまつもとさんとか、そーゆー人のことを指す言葉だと思っている。なので、これといった世界を変えるような代表作を持たないわたしは、いまだに「ハッカーになりたい」などとふざけたことを言っていたりするし、自分がハッカーなんてとんでもないという感じである。
そんなことで、タイトルのスーパーハッカー列伝というのも、当初ちょっとあれだよなあとインタビューを受けたとき(昨年10月)思っていたのだが、半年たって考えが変わった。たしかに世界を変えたプログラムの作者ではないが、この10年、カーネル読書会みたいなわけのわからないものをやり続けて、若い人に「10年やれば自分は変わるし、その分野の第一人者になるよ」などとずうっと言ってきた自分がいて、気がつくと、それって、自分じゃん。自分が10年続けてきた当事者なんじゃないの。すごいすごい。気がつくと、こんなわけのわかんないような勉強会みたいなことをやるやつはいないと思っていたけど、最近では日本全国似たような(中身はもちろん全然違うけど)勉強会が月300件以上開催されていて、おおおお、社会変わっちゃったか?ひょっとしてその先頭ランナーか?
結局わたしに言えることは、わたしはこーゆーことをやってきた。上手くいかなかったこともあるし、上手くいったこともある。だけど、こーゆーことをやってきてとっても楽しかったし、良かったと思っている。運がよかったことは間違いないけど、運だけじゃない部分も多分ある。自分の意志で何かをやったということが、自分の満足度を高めているということがこのインタビューで伝われば幸いである。