未来のいつか/hyoshiokの日記

hyoshiokの日々思うことをあれやこれや

勉強会同好会

奇妙な名前の同好会を作ったのは約半年前である。半年同好会の会長(ぐはは)をしてみての振り返りをしてみた。

勉強会勉強会*1というこれまた奇妙なコミュニティをかれこれ二年くらいやっていて、勉強会に関するちょっとしたノウハウ、運営上必要になる情報等をいろいろな人やコミュニティと共有してきた。勉強会というか勉強家愛というか、勉強会が好きでしょうがない、手段と目的を履き違えたような多様な人たちといろいろ集まってみて、IT系の勉強会のあれやこれやについてそれなりに経験をつんできた。

その勉強会がもつパワーというかお金に変えられない価値を会社の中に持ち込むという試みが社内勉強会なわけであるが、そもそも勉強会というような形式は、自分の周辺で同じような問題意識、興味を持った人たちが自主的に開催するものだから、自分の半径5メートルが会社しかない人にとっては、必然的に会社の人と勉強会をすることになる。むしろ社外での勉強会に参加するということの方が非日常的なことである。

しかし、インターネットというメディアによってわれわれはソーシャルなネットワークを手に入れ、結果として勉強会のようなコミュニティを大量に発生させた。

インターネットにある勉強会での経験を社内の勉強会に逆輸入するというのが、ある種、社内勉強会の面白いところである。そして、社内勉強会での経験を会社や組織の壁を越えて流通、共有する。そのプラットフォームとして、勉強会同好会なるものを会社に作った。

というようなお題目はいいのであるが、会社の中には、人事の人とかPRの人とか、社員の親睦を深め、社内活性化をすることがお仕事の人もいて、会社として同好会を支援するという仕組みもあり、それにのってみることにした。弊社には野球同好会とかテニス同好会とか、由緒正しい同好会や、ワイン同好会とかラーメン探検同好会とか、食(?)関係の同好会もあったりして、社員の親睦を図ることに余念がない。

さて勉強会同好会である。一応、会長、書記、会計、監事などの役職があり、会員の互選で選ばれる。人事に会員名簿を提出し、半期に一度活動報告をする。

月一回程度の活動をして会員の親睦を深めるというのが活動の趣旨なので、勉強会が好きな人、社内報の人、人事の人などなど、いろいろな部署の人とゆるゆると活動をした。最初の仕事(?)は同好会のポスターを作ることで、ポスター係が素敵なポスターを作ってくれた。どもありがとうございます。

USTのやり方講座とか、社外の人と一緒に社内Twitterのこととか、DevLOVEの人とかと会社の壁を越えて社内勉強会について、お話などをした。

社内同好会ならではのこと

今回、同好会を半年運営してみて、カーネル読書会とか勉強会勉強会のようなコミュニティの運営との差分を記してみる。

同好会もコミュニティも同じ同好の士が自主的に集まるという意味では大きな違いはない。社内の同好会の場合、会員がその組織の人たちからなるという制約はあるが、社外の人も招いてワークショップをしていたりすると、その境目も曖昧である。

会長、書記、会計、監事などの役職については、そのような役職を持たないでゆるゆると運営するコミュニティもあればきっちり組織化しているコミュニティもあるので、そんなに大きな差分はない。

社内同好会を会社に公認してもらうために、会員を募集したところ、30名を越える応募があって、びっくり。さすがに一人二人では会社公認にならないので、最低でも11名集まるかドキドキしていたのは杞憂であった。人が集まらないのは発足の危機なのであるが、それは難なくクリアーした。

コミュニティの場合も、人が集まらないことには何も始まらなくて、会員募集が最初のハードルになることが多い。しかし、あとはやるだけである。

同好会も同じである。

幽霊会員が見える

同好会を月一回程度のペースで開催してみて、30名を越える会員でも、参加できるのは、多くて10数人、少ないと数名というのが実状である。人数の過多が問題なのではなく、会員名簿というのがあるので、誰が出席し、誰が欠席なのかというのが明示的に分かってしまう。幽霊会員問題というのは、コミュニティでも会員登録するようなところでは問題になりうるが、会員名簿(参加登録)というものがなければ、その問題は顕在しない。常連は常連だし、来ない人は来ないので見えないので、問題にはならない。同好会には、入会(登録)が必要で、それによって名簿ができ、誰が会員かというのが明らかになっている以上、来ない人が幽霊部員として見えてしまうのである。

これは自分にとって目から鱗の発見であった。

コミュニティ活動のような始めからオープンエンドな性質のものであれば、来る人は見えるが来ない人は存在しないので気にならない。コミュニティの活性度をあげるために、ある一定以上の新規参加者は必要ではあるが、見えない人に向かっての何かするということを意識してプライオリティをあげるインセンティブはほとんどない。

ところが社内同好会では、会員の誰々さんが〜の事情で参加できないということが見えてしまう。それは同好会の会員であるということが明示的に示されているからである。

単発の勉強会であれば、今日の参加者〜名、以上であるが、30名会員登録した中での10名参加となると、20名の欠席者がいるということがはっきり見える。

同好会は社員の親睦を深めるために、会社からの補助もあり、半期に一度の活動報告もするので、幽霊部員は原則としてあってはならない。あってはならないというとたかが同好会なので大げさなのだけど、少なければ少ない方がいい。

幽霊部員問題と言うのはコミュニティの勉強会では、ほとんど問題にならない。コミュニティを活性化するには、既存会員のリピート率を向上させるか、新規会員を増やすか、その二つがある。幽霊か幽霊じゃないかという線引きは閉じた空間だからこそ発生するので、コミュニティのような無限に広がる空間では幽霊会員というのは存在しないからである。

同好会の活性度を、アクティブな会員数/会員数なんて指標で評価されちゃうと、結構とほほな感じになるので、アクティブな会員数(ユニーク数)を増やす、逆に言うと幽霊会員をどれだけ減らすかという活動が必要になる。

同好会なので、活動その物には興味があるという前提で会員をとらえると(なければ同好会会員にはそもそも登録しない)、月例会合に参加できないのは、活動に興味がないので参加しないのではなく、なんらかの事情で(仕事が忙しいとか、たまたま都合がつかなかったとか)参加できなかったと考えた。

そこで、活動に参加しやすいように、就業時間後の会合だけではなく、昼のランチでのミーティングをすることにした。会社の社食を利用して数名単位であれやこれやゆるゆるとお話をすることにした。*2

幽霊会員問題は他の同好会でも問題になっているようで、特に部員数が多い同好会ほど幽霊会員の絶対値も大きいので、これの解消方法の試行錯誤とノウハウ共有が重要だと思った。

なんだか、同好会勉強会みたいな感じになってしまったが、勉強会同好会を運営して一つ学んだことである。

勉強会同好会忘年会2010で成果発表としたい(うひょ)。

*1:https://groups.google.com/group/metacon?hl=ja

*2:ブラウンバッグミーティング/hyoshiokの日記 http://d.hatena.ne.jp/hyoshiok/20101216#p1